アテックが少数精鋭を貫いている理由

「700件も手がければ、あとからクレームがきたケースがあるのでは?」。薬局オーナーの方から、そんな質問を受けることがあります。しかし、譲渡が完了した後にクレームが発生し、大きなもめごとになったことは、一度もありません。

大きなトラブルを起こしていない理由の一つは、「ムリに契約をまとめようとしない」からでしょう。

弊社は、売り手に譲渡先の候補を提案した時に、少しでも売り手が「合わない」と感じていたら、強引にすすめるようなことはしません。あとでトラブルになることは目に見えているからです。

のちのちトラブルが起こりそうな案件が来ると、私どもから遠慮させていただくこともしばしばあります。たとえば、売り手から「どんな相手でもいいし、安くてもいいから、できるだけ早く譲渡先を決めてほしい」「明日、明後日でケリがつかないか」と言われることがあるのですが、こうした要望を受けても、私たちは急ぐことなく、その薬局について、じっくりと調査させていただきます。このようなケースは、売り手が何らかのウィークポイントを隠していることが多いからです。当然、そんな薬局を買い手に紹介すれば、買い手に迷惑がかかりますし、弊社の信用も損なわれます。

かつて「仲介料を多めに払うから、なんとか譲渡先を見つけてほしい」と言われたこともありますが、この時も仲介をお断りさせていただきました。

アテックが少数精鋭を貫いているのは、会社の規模を拡大すると、このような判断がとりにくくなることもあります。

アテック株式会社 取締役社長 鈴木 孝雄
「薬局オーナーのためのハッピー・M&A読本」より

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