トラブルを防ぎ、交渉をスムーズにする
M&A仲介会社

薬局のM&Aをおこなう場合、多くのオーナーが、「M&A仲介会社」を利用しているようです。

その大きな理由の一つは、トラブルを避けるためです。当事者だけで交渉を進めると、何らかのいざこざが発生しがちです。たとえば、「当初の約束と違い、譲渡代金をなかなか支払ってもらえない」「従業員の雇用を維持するという約束だったのに、全員解雇されてしまった」……。このようなことが起これば、とてもハッピーリタイアとはいかないでしょう。

また、トラブルまでいかなくても、互いに主張を譲らず、いつまでも交渉が平行線をたどることも十分に考えられます。実際、交渉の時には、双方の希望譲渡金額が数千万円以上離れていることは珍しくありませんし、すべてを譲渡したい売り手に対し、買い手が一部のみの譲渡を主張することも少なくありません。たとえば、「債務だけでなく、調剤機器や期限切れ間近の医薬品は引き受けられない」「従業員の雇用の継続はできない」「リース債務は継承したくない」……。しかし、第三者的な仲介会社が間に入ることで、妥協点を見いだせるというわけです。

また、秘密裏に自分で譲渡先を見つけることは、簡単なことではありません。仲介会社に頼めば、そのネットワークから、希望に合った買い手を紹介してもらえることも期待できるでしょう。

調剤薬局業界に明るいM&A仲介会社を選ぶ

もっとも、「M&A仲介会社」と一言でいっても、会社によって多様な特色があります。銀行を母体にしている会社、中小企業のM&Aを専門に扱う会社、特定の業界に絞っている会社……。また、担当のアドバイザーにしても、税理士や公認会計士、薬剤師など、それぞれが、異なる経歴を持っています。どこが良い悪いということではなく、自分の薬局のM&Aを成功に導いてくれるところを選ぶことが大切です。

最適なM&A仲介会社や担当アドバイザーを見つけだすためには、以下の三つのポイントをチェックすることをおすすめします。

① 薬局業界に精通し、生きた知恵を持っている

調剤薬局のM&Aには、長年薬局を経営してこられた方の心と、それを受け継ぐ方の心が大切です。それを理解するには、机上で得た知識はもちろんのこと、調剤薬局のM&Aの経験、日頃からの薬局経営者との交流、薬局業界での職務経験などによって得られる“生きた知恵”が何よりも大切です。

その有無を見分けるには、M&A仲介会社の「歴史」「実績」「担当アドバイザーの経験」をチェックするといいでしょう。
この三つのポイントが揃っていれば、薬局業界に広いネットワークも持っているはず。その有無が、最適な買い手との出会いを大きく左右することは言うまでもありません。

② 担当アドバイザーとの相性

「人間的に信頼できるか」「自分と相性が合うか」。このような担当アドバイザーかどうかも重要です。きわめて感覚的なことですが、その感覚が、案外、M&Aの成否を左右するものです。「M&Aという人生の大きな決断を任せてみよう!」。そう思えるようなアドバイザーでないと、真の協力関係が築けないからでしょう。

この点に関しては、私から細かくアドバイスする必要はないと考えています。薬局オーナーの方は、長年の経験から、人を判断する能力に長けていらっしゃる方が多いように感じるからです。見た目の良い資料や聞き心地の良い言葉にとらわれず、直感を信じて、自分にとって本当にベストなアドバイザーを選んでください。

③ 仲介手数料の確認

一般的に、M&A仲介会社は、売り手と買い手からの手数料で成り立っていますが、料金体系は会社によって異なります。たとえば、売り手に対する仲介手数料は、成功報酬だけの会社もあれば、冷やかしを避けるために、着手金や中間金(毎月支払う報酬)を徴収している会社もあります。また、弊社のように、売り手からは仲介手数料をいただかず、買い手からのみいただいている会社もあります。

仲介手数料も一概に安ければいいというものではありませんが、この差は決してあなどれません。依頼する会社によって、手数料が100万円以上も異なるケースは十分にあり得るからです。仲介契約をする前に、必ず確認しておきましょう。左ページに、弊社の仲介手数料を掲載いたしますので、参考にしてください。

アテックの報酬体系2010年5月1日現在

1相談料1時間まで 30,000円 その後30分ごとに 5,000円
但し、譲渡される方の相談料は無料です。尚、弊社とお取引された場合は、取引料金から差し引かせていただきます。
2企画料【出店企画料】200,000円以上
【許認可申請 指導料】50,000円
3薬局M&A成功報酬
仲介料基本報酬 300万円と取引金額に5%を乗じた額を加算した合計。但し、譲渡される方の仲介手数料は無料です。
4業務受託料【業務受託料】業務委託受託契約で定める。
【顧問料】月額:直近決算書売上高月平均の1%相当額(1,000円以下切り捨て)。但し、最低月額 150,000円とする。
5出張料【交通費】実費
【宿泊費】15,000円
【日当】社長・部長クラス:50,000円 課長クラス:30,000円
6薬局価値評価年商1億円未満:30万円
算定基礎料金年商1億円以上:40万円
但し、弊社で仲介、媒介、斡旋等のお取り扱いをした場合は、無料です。
7その他の費用1. 第三者(弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、行政書士等)を使用した場合の費用
2. 印紙代、郵便料、振込手数料、通信費等の諸経費
8特約事項1. 出張料およびその他の費用以外は、別途に消費税をご負担願います。
2. 出張は、交通に要する時間と執務時間の合計が6時間以上とし、宿泊の要、不要は業務内容によって判断させていただきます。
3. 出張の際は、交通費、宿泊費および日当の預かり金を申し受けます。

※諸般の状況により変更する場合があります。

アテック株式会社 取締役社長 鈴木 孝雄
「薬局オーナーのためのハッピー・M&A読本」より

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