事業譲渡に法人税がかかるのを忘れていた!

「一部の店舗だけ売りたい」。こういう希望を持ったオーナーさんは少なくありません。

譲渡の理由はどうあれ、会社が儲かっている場合は要注意。たとえば、首都圏で5店舗展開していた優良薬局チェーンのオーナーAさんは、1店舗を譲渡した時、法人税の存在を見逃していました。結果としてAさんは納税の時に金策で走り回ることになりました。

法人税を失念していた原因は、「一刻も早く譲渡しなければ」という焦り。その店はクリニックへの義理で出店したのですが、売上が思わしくないことに加えて、薬剤師の確保も難航。Aさんはすっかり困り果てていたからです。

そこに、地元中心に展開している薬局チェーンから問題の店を買いたいという申し出があったのです。価格も悪くありません。「こんなチャンスは二度とない!」。Aさんの頭は、一刻も早く手放すことでいっぱいになってしまったのです。

しかし、Aさんの会社のような優良企業が店舗を譲渡すれば、譲渡益は全額法人税の課税対象になります。法人税は地方税・国税合わせて3割以上と高額です。

納税の時にあわてないように、まずはしっかりした資金計画をたてるべきでしょう。

薬局系事業承継の決定版
「上手に薬局を譲渡するための、たった一つの方法」より

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