専門M&A仲介業者の草分け

M&Aは、すでに中小企業の間でも特別なことではなくなりました。

それにともなってM&Aの仲介業務を手掛ける会社は雨後の竹の子のように増え、今では「中堅企業を得意としている」「中小零細専門」「飲食店専門」「医療法人専門」「美容業界専門」など規模別、業種別に専門化、細分化が進んでいます。

弊社は二十数年前に、薬局だけのM&Aに特化したM&A仲介会社の草分けです。すでに700件以上の薬局M&Aを手掛けています。

M&A仲介業者の専門家、細分化が進んでいる理由のひとつは、業界に精通していなければ適切な譲渡先候補を探すのが難しいからでしょう。また、お客様の会社や店を高く売るためのポイントを的確に判断することはできません。

その最たる業界のひとつが薬局業界だといっても過言ではないでしょう。たとえば――。 

・薬局と周辺の病院やクリニックとのあうんの関係は良好か。
・大手チェーンに適した案件か、個人・中小薬局チェーンに適した案件か。
・案件の店は、どのような「薬局の業務内容」「医療保険の取り扱い」 「助成医療の取り扱い」の認可を受けているのか。

立地条件、店舗の売上なども大切ですが、薬局M&Aには、このような薬局業界独自の視点が必要となります。どの業界にも、このような業界独自のクセがあるので、M&A業者の専門家、細分化が進んでいるわけです。

有利な条件で譲渡する

ところで、薬局オーナーのみなさんが、譲渡を決意した理由は様々でしょう。
「後継者がいない」
「経営は自分に合ってなかった」
「儲からない店だけ切り離したい」
「体力に自信がなくなった」
「そろそろ老後の人生をゆったりと楽しみたい……」

もちろん、一口に後継者がいないといっても、期待していた御子息が継がないというケースもあれば、従業員にふさわしい人がいない、そもそも子供がいないといったケースもあるでしょう。このように、オーナーさんの数だけ、決意の理由はあるわけです。

しかし、ただひとつ、全オーナーさんに共通していることがあります。

それは、いずれの薬局も、オーナーさんが子供のように大切に育ててこられたということ。 譲渡の決意を固めるまでには、当然、様々な苦悩や迷いがあったことでしょう。

このような様々な葛藤を乗り越えることがステップ1とすれば、実際に店舗を譲渡することがステップ2。そして店舗を譲渡し終わった次の生活がステップ3だといえるでしょう。店舗譲渡で得られるお金は、ある意味ステップ1の通信簿。誰だって、できるだけ高く評価されたいと思うのは当然でしょう。

譲渡の代表的なやり方は、会社が持つ資産をすべて譲渡する『株式譲渡』と会社の一部だけ譲渡する『事業譲渡』のふたつ。手続き面からみれば、『株式譲渡』は、株式を譲渡するという一回の作業で終わるのに対して、『事業譲渡』は、「店舗」「在庫」「自動車」「土地」など、譲渡するものひとつひとつの手続きが必要です。

また、株式譲渡なら、オーナーさん個人にお金が入るので所得税になりますが、事業譲渡は会社にお金が入るので法人税になります。

どんな譲渡の手法を選ぶかによって、税金はずいぶんと変わってしまいます。冒頭で薬局を譲渡する理由が、オーナーさんの数だけあると述べましたが、譲渡の方法も、実はオーナーさんの数だけあります。これから、様々なケーススタディをあげていきますので、ぜひ、ご自身のお店にぴったりのやり方をみつけてください。

みなさまの幸せな第二の人生をお祈りしております。

薬局系事業承継の決定版
「上手に薬局を譲渡するための、たった一つの方法」より

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