経営者の夫と管理薬剤師が倒れた店を経営代行で護った

実例4 Dさん - 経営者の夫と管理薬剤師が倒れた店を経営代行で護った

K薬局 Dさん
1950年生まれ。大学卒業後、医療事務など様々な仕事を経て結婚。1987年に栃木県の中規模都市に調剤薬局を開設。60歳の時に「薬局経営代行」の形で、薬局経営から退く。

―― 地元の調剤薬局の先駆け的存在だったのですね。

はい。私たち夫婦は薬剤師ではありませんが、家族をはじめ、周辺に医療関係者が多く、常日頃、「調剤薬局はこれからは大きなビジネスになりそうだ」という話を聞いていました。そこで、知人のドクターの独立をきっかけに調剤薬局を開局することにしたのです。

―― 実際の薬局経営はいかがでしたか?

順調でした。まず薬剤師さんについては、当時は薬剤師不足ではなかったので、募集すればすぐに見つかりました。また、周辺に調剤薬局はなかったので、結果として知人のドクターの処方せんを一手に引き受けることになり、最初から収入は安定していました。医薬分業が一般的になると、今度は、近所の人たちは他のクリニックの処方せんも持ってきてくれるようになり、事務員さんも含めて常に3人くらいは人を雇う余裕も出てきたので私は引退。経営は主人に任せ、「雑貨のインターネット通販」の仕事を始めたので、正確な数字は分かりませんが、処方せんの数は多分月に1000枚くらい受けていたと思います。

―― 薬局経営から引退したきっかけは?

主人が脳腫瘍で倒れたことです。手術をしても結果は思わしくなく、ドクターから余命宣告も受けました。翌年には、管理薬剤師をお願いしていた方が辞めてしまいした。主人の長期不在が心労になり、持病が悪化したからです。パートの薬剤師さんに頼み込んで2ヶ月限定で管理薬剤師をお願いし、その間、募集広告を出したり、人材派遣会社に頼んだりしたのですが、ちょうど薬剤師不足の時代に突入してしまい思うように人材が見つかりません。困り果てた時に、人材派遣会社の営業の方にM&Aも考えた方がいいと言われ、売却の可能性も検討すべきだと気付いたのです。。

―― 売却よりも経営代行を選んだ理由は?

主人との思い出がつまった大切な店だから、できれば手放したくないというのが本音でした。仮に売却しようとすれば、薬剤師がいなくて困っている薬局だからと足下をみて買い叩かれる不安もあったし所得税も心配だったからです。するとアテックさんは、売却ではなく、家賃収入を頂く「経営代行」のプランを提案してくれました。自分たちにぴったりの魅力的なプランだと思いました。

―― 2週間で即決したそうですが。

とにかく急いでいましたからね。そんな雰囲気を察知して、アテックさんは電話をかけたら、その日に弊社までかけつけ、すぐに経営者候補探しに入ってくれました。結局、電話をしてから2週間後には、経営代行をお願いする方は決まっていました。

―― 現在は?

調剤薬局の経営から解放されることが、こんなに精神的にラクになるものなのだとびっくりしました。医療事故は起こしたことはありませんが、「いつか起こすかもしれない」と不安に思うことがストレスになっていたのでしょう。経営を一手に引き受けていた主人の重圧は相当なものだったと思います。その主人ですが、奇跡的に回復しました。今は月に1度、2人で近場の温泉に行っています。家賃収入があるので、これからは主人とのんびり暮らしたいと思います。