決算書で返済可能を確認する

繰り返しになりますが、調剤薬局は、一般的に入金は60日サイト、支払いサイトは90日。つまり「儲かっていると勘違いしやすい」業種だと、肝に銘じなければなりません。
そのため、多額の借り入れも、返済できる錯覚に陥っていることが多々見受けられます。また当初の計画通り利益が出ず、返済に苦しんでいる社長様からもご相談を受けます。

身の丈に合わない借り入れかどうかは、どこでわかるのでしょうか?
答えは、決算書にあります。
手元の決算書、損益計算書を見てください。一番下の当期利益はいくらでしょうか? これは、1年間で手元に残る資金です。

さらに、減価償却費はいくらでしょうか? これも、キャッシュとして、残っているはずです。
つまり、返済原資は、当期利益+減価償却費となります。この返済原資より上回っている返済計画では、いずれ返済不可能になります。

返済資源

もし返済計画に無理が生じていたら、早急な対策が必要です。何事も計画通り行かない事はありますし、誰しも間違いはあります。一番良くないのは、現実逃避することです。早めの対策で、軌道修正することは、会社の存続を左右します。

計画通りいかないのが事業です

「当初の予定通り利益が出れば、問題ない出店だったのに…」
診療圏調査をはじめ、数多くのシュミレーションをしても、計画通りとはいかないものです。事業に失敗はつきものです。

失敗に気が付いたら、早めに軌道修正することが、関係者への迷惑を最小限に留め、また、御社を守ることにもなります。金融機関も、突然返済されなくなるより、予め返済方法を相談された方が、よっぽどましだと考えています。

御社では、資金繰り表を作成していますでしょうか。資金繰り表は、いつ資金が足りなくなるのか、このままでは返済できなくなるのか、把握し対策を立てることができる便利な表です。調剤薬局であれば、資金繰り表で半年先の財務状態を把握することが必要です。

融資を受ける場合、金融機関には言葉ではなく、数字で論理的に説明することがポイントです。そのためにも、資金繰り表は、常に作成しておくことをおすすめします。また、ご自身でも、自社の状況を把握することができます。

資金繰り表をどのように作ればいいかわからない場合は、ご相談下さい。数ヶ月後には、社長様自身で作れるようになります。
資金繰り表を作った結果、返済計画の変更が必要であれば、早急に対策が必要です。間違っても、現実逃避だけは避けなくてはなりません。周りに、多大な迷惑が掛かってしまいます。