変わる可能性のある従業員の勤務条件に給与などに焦点を当てて、スムーズなM&A・売却に繋げる方法も合わせてご紹介していくので、調剤薬局で働く方そしてオーナーさんは、ぜひ最後までご注目ください。
目次
■従業員が調剤薬局のM&A・売却について知るのは突然のこと
近年の多くの調剤薬局でよく見られるM&Aや事業継承のひとつとなる売却は、成立するまで従業員には知られないことがほとんどです。従業員の一人を後継者として指名しない限り、M&Aや売却はな内密に進められてしまうのが実情となっています。このことから、調剤薬局に務めるほとんどの従業員は買収されることに突然気づかされることになります。
事前に買収されるかもしれないのでは?と、何となく感づいている人はいるものの、そう感じていない人も中にはいることでしょう。突然買収されるのを知ったらどうしても不安がばかり抱いてしまうはずです。給与面や待遇面など様々なことが変わっていく不安に悩まされるのは当然のことです。しかしながらM&A・売却というのは基本的に経営者のみならず従業員にもメリットがあるものとなっています。
コンビニ以上もの数となっている調剤薬局の数を減らして人手不足を解消し、リタイヤを検討している人の助役にもなる買収は、勤務していた薬剤師や従業員が退職しないような配慮を行った上で進められていきます。ですので、不安ばかりを抱く必要はないでしょう。
続いての項目では、M&Aや売却することによって変わっていく勤務条件を詳しく見ていきます。
■勤務条件はどうなるのか?
勤務条件としては買収される前と変わらない条件で勤務できるケースが多くなっています。給料体系に勤務時間、福利厚生などは急に変化することなく、これまでと同じように働けます。
また、M&Aや売却直後はかつての調剤薬局の名前もそのままであることがほとんどです。お客さんから見ると何も変化は感じないことでしょう。ただしこれはあくまでもM&Aや売却された直後の話です。将来的にどうなるかはグループ会社の長に委ねられているでしょう。
勤務時間や給料体系、福利厚生の仕組みなど今までの経営とは異なってくるので、時間が経つと共に買収した側の勤務条件にどんどん変化していく可能性があります。場合によっては転勤を命じられることも考えられるのです。
特に全国展開している企業に買収された場合、転勤というのは考えられなくもないケースとなっています。全国展開している企業というのは人材を適材適所に配置し、より効率的な運営ができるように動いていきます。知識を持ちスピーディに対応できる優秀な人物は、より能力が発揮できるような忙しい場所に送られることでしょう。こうした体制を取ることで、企業は全国各調剤薬局で利益が得られるようになります。
また、ベテラン薬剤師・従業員で教育を任せられるような存在も転勤となるかもしれないでしょう。そういった方は、若い人が多く教育業務が求められる場所に転勤になります。買収された後というのは、しばらくは給料や勤務時間、福利厚生などの変化がない可能性は高いものの、後々勤務条件に変化が生じてくる他、転勤などが言い渡される可能性もあると考えておくべきものとなっています。
■給与は上がる可能性が大!しかしながら下がる可能性も…
勤め先の調剤薬局が買収されると聞いたら、やはり多くの人が一番に給与の心配を抱えることでしょう。事実勤務時間や勤務場所、休日数も変わらないものの給与が下がってしまっては、従業員にとってM&Aや売却がいいようには見えないはずです。給与が下がってしまうだけではなく、辞めさせられる可能性もあるのではないかと疑ってしまう人も少なはないことでしょう。
実際に、調剤薬局の買収でクビになることは滅多にはありませんし、給与が大幅に下げられるケースはほとんどありません。それもそのはず、調剤薬局のM&Aや売却というのは、自身が経営している調剤薬局よりも大きなところに買収されるのが一般的です。そのため、待遇としては良くなることが大いに期待でき、M&Aや売却を行った調剤薬局のほとんどが、これまでと同じ条件で勤務できるケースが多くなるのです。
また、買収したからといって買収先の従業員の給与を大幅に下げたり、簡単に解雇したりしてしまえば法的な問題にも関係してきます。買収によって反感を買うような環境になってしまい、従業員の多くが自ら辞める選択を選んでしまってはM&Aや売却を選択したメリットが全く受けられないことでしょう。それ以上に事業継承の失敗に繋がり、買収先が大いに反発を受ける姿が目に見えてしまうのです。
そもそも調剤薬局は中小のみならず大手であっても薬剤師の数は足りていない状況が続いています。買収した側も買収された側の苦労は知っているはずですし、従業員が退職しないための配慮は行う傾向にあります。買う側も従業員を大切にしたいと思っています。人材不足が問題になっている調剤薬局業界だからこそすぐに辞められては困り、処遇を下げないようになっています。
ただし、例外もあります。この例外は買収によって給与が下がってしまうという話になります。買収前に常識を超えたような給与設定であった場合には適正な給与金額へと変更される可能性があります。
この常識を超えた額というのはおおよそ1,000万円以上の年収となる方です。こうした高い年収の方というのはベテランの方が多く、多くの年収をもらえる経緯として薬剤師不足状況下における薬剤師確保のためのものである可能性が高いです。つまり従業員を辞めさせないための上乗せの給料なので、買収によって適正な価格に戻ってしまうことが考えられます。
しかしながらこうした下がる事例では強制的な変更になることはほとんどありません。もちろん本人と相談した上での変更となるので安心してください。 仕事を続ける意思があるのであれば、話し合いにて大幅に給与を下げないようにお願いできるはずです。
■買収にて給与を上がりやすくするためには?
M&Aをはじめ売却などは、これまでと変わらない給与からスタートすることはほとんどです。稀に下がってしまい、高確率で今後上がっていくなどといった傾向にありますが、場合によっては買収後すぐに給与アップができた人もいるのです。このように給与が上がったという人は、ある特徴が見られます。
それが業務量が年収以上であることです。言い換えると仕事ができる人で、知識豊富で接客も丁寧といった優秀な方は給与アップのチャンスがあると考えてもいいでしょう。これが給与上げる方法のポイントではありますが、そうした人一倍頑張る姿を譲渡側の社長や株主などに認めてもらわなければなりません。
買収する側は調剤薬局を譲り受ける際に、その会社の決算資料や経営者の話を聞くことで従業員の活躍ぶりを知ることになります。中には時々直接足を運んで様子を観察する人はいるものの、従業員一人ひとりをよく知るまで見ていくことはしないでしょう。
その際に自身の活躍をしっかりとアピールすることで給与が上がることにもつながりますが、買収後にもきちんといい働きぶりを見せなければいけませんし、買収前であっても頑張りが伝わるように一生懸命に仕事する必要があります。日頃の行いを大事にして業務に努めていけばチャンスは舞い込んでくるはずです。
■買収後はシステム改善で業務の負担を軽減できる可能性も
続いては勤務条件などを合わせて気になる業務負担の面について詳しくご紹介していきます。買収後というのは多くが最先端システムを活用し、業務の負担を減らせるようになっています。ただし、これはほとんどのケースになっており、買い手によっては負担が減ることなく買収前と同じ、もしくは増えることもあります。この違いは買い手がM&Aに慣れているかがどうかがポイントになっています。
・M&Aに慣れている買い手の場合
M&Aに慣れている企業というのはこれまでに何件かのM&Aを行ってきており、成功していることから新たなM&Aの手続きをしていることが考えられます。成功しているすなわち、従業員は問題なく働ける環境にあり、業務の負担も軽減できていると予測できるでしょう。
こうしたM&Aに慣れている会社は業務負担の軽減として従業員を増やす他、最先端システムへの移行を果たしているケースが多いです。従来のやり方よりも大きく生産性を高めてくれるので、従業員は便利に感じますが、ただ最初は負担を感じてしまうかもしれません。
しかし苦労するのは初めだけでしょう。慣れていけば日々手間のかからないシステムで業務ができるので、大変楽に感じられます。
ですがその反面大手に買収されるとなったら、本部への報告業務が追加されます。大手であると各店舗情報を細かく分析しグループの今後の成長へとつなげていきます。そのためにも行う本部への報告が増えることで、最先端システムで全体的な負担は減るように感じるものの、新たな仕事の追加に大変だと感じてしまいます。
ただこちらも最先端システム同様に慣れていけば苦には感じなかったという人が多くなっています。同じことをグループ全店舗がやっているわけですので、従業員にグループ全体で調剤薬局業界を良くしていく考えがあれば大丈夫でしょう。
また、こうした報告業務はパソコンでできる操作です。簡単なので若い人にも負担を感じさせずに導入され普及しています。
・M&Aに慣れていない買い手の場合
先ほどとは異なりM&Aに慣れていない企業であると最先端のシステムを使用していない他、慣れていないが故に店舗マネジメントする力量がない可能性が考えられます。
最先端システムの導入というのは本部への報告を必須とします。毎日報告する義務が増えはしますが、加えて便利なシステムを用いた業務にならないので、どうしても業務の負担量が増えることになるわけです。
負担が増えたまま、そのまま何年も経過していくことはないかと思いますが、その可能性もゼロではありません。負担が納得できずに辞める薬剤師や従業員が増えれば、なおのこと大きな問題が生じることでしょう。
上記のように買い手の企業の大きさのみならずM&Aに慣れている買い手であるかどうかでも、今後の働きやすさは変わってきます。もしあなた自身が経営者としてM&Aや売却を考えているのであれば、事業継続のために薬剤師や従業員一人ひとりが働きやすい環境を追求していくことが求められます。
買収先の選択に、社員を正当に評価するなど、M&Aや売却時に注意しておきたい点がたくさんあります。こうしたやるべきことを踏まえて流石に1人では事業継承を成功させる自信がないと感じてしまう方も少なくありません。そんな方のためにご紹介したいのが調剤薬局譲渡のサポートを行う薬局総合支援のアテックです。
■M&Aでぜひとも活用したいアテックとは?
アテックとは薬局M&Aや薬局事業継承のサポートを専門に行う会社です。調剤薬局業界初のM&A支援業者になっていて歴史がある他、これまでには多くの支援を行ってきています。
そんなアテックの魅力としては、薬局の評価を元にベストな譲渡プランを策定し、オーナーの希望に適した譲渡先を選定してくれることにあります。アテックが相談内容に沿って1社ずつ譲渡先候補にアプローチしていき、依頼者が満足できる最適なマッチングを行えるようにしているのです。
それ以外にも、譲渡先との顔合わせの場も調整し設けてくれるので、M&A手続きが非常にスムーズに進んでいきます。譲渡側のみならず双方が納得いくまで最終的な譲渡価値を探っていくので、買収後のトラブルもありません。そして引き渡し当日までしっかりとサポートし、基本合意書の作成や店舗の鑑査、契約書の締結・開示など、経営者一人では困難な手続きも楽々進められるようになっています。
誰もがハッピーリタイヤができる他、自身が大切にしてきた調剤薬局を大きくしていくことができ、さらには薬剤師や従業員も満足に働ける環境で存続できるといった多くの恩恵が得られるM&Aになるでしょう。アテックにてサポートすることで、一人ではなし得なかった満足度の高いM&Aに導いてくれるので、ぜひ活用してみることをおすすめします。