調剤薬局というのは急速に拡大が広まった分野です。故に現在ではコンビニエンスストアさえも上回る数が存在しています。地域の人には利用されやすくなった調剤薬局ですがそれに伴い様々な問題が出てきています。

今回をその問題を挙げていきながら、現在調剤薬局業界の中で活発に行われているM&Aについてお話していきます。調剤薬局M&Aのメリットを知り、売り手側と買い手側どちらも納得の行ける素晴らしいやり取りで業績アップや人材確保を目指してみましょう。

■増える薬剤師、しかし新規参入は難しい…



1997年以降急速に進んだ医薬分業によって調剤薬局の必要性は高まり、その数もどんどん増えていきました。その数はコンビニエンスストアの総数を上回る数になっているのです。

多くの店舗ができたことで薬剤師の必要性も高まり、現在は多くの薬剤師が活躍しています。人材確保がしやすいと言われている分野ではありますが、実はそれが言えるのは一部に限ります。

以前、調剤薬局という個人経営の店舗が多くありました。しかし最近は大手チェーン薬局が都市部において拡大している背景から地方の薬局は人材確保が足りていない現状にあるのです。加えて調剤薬局というのは薬剤師の独占業務となっています。

調剤薬局を運営を維持するには薬剤師が必ず必要で、営業時間中も薬剤師を常駐させなければなりません。このことから一部の地域では厳しい運営条件になっており、リタイヤを検討している人も増えているのが実情です。

そうした考えを思い付く人の中には薬剤師という仕事をリタイヤする他、自ら開業という選択を選ぶ人もいます。しかしながら薬局の開設というのは薬局開設許可が必要になり、新規参入のハードルが高いことから、人材確保にも注力しなければいけない分野となっているのです。

■調剤薬局においてM&Aは重要な存在



調剤薬局では、薬剤師の数は増えつつも一部では人手が足りず、そしてハードな労働環境となり、辞める人が後を絶たない状況であす。さらに都心では調剤薬局の数が大幅に増え、薬局開設のための許可を得なければ新規参入ができないなど多くの問題に悩まされています。

そんな調剤薬局では今、M&Aという選択を選ぶ人が増えています。ここからは調剤薬局のM&Aについて詳しくご紹介していきましょう。

そもそもM&Aというのは何かというと、企業そのものや事業の合併・買収のことを指しています。ある企業がM&Aを選択したとなったら、会社の運営を丸ごと売り手に任せる他、事業のみを売り手に任せることができるなど、単なる買収以上に経営のやり方に広がりをもたらすことができるのです。調剤薬局におけるM&Aでも同じように、店舗の運営を任せたり、事業の一部を担ってもらったりとオーナーの負担を軽減できる魅力を持っています。

調剤薬局業界というのは先ほど説明した厳しい背景から継承が難しいだけはなく後継者すらも見つからないことも多くあります。オーナーがリタイヤを考えたとしても子どもがいない、親戚に受けもってくれる人がいないなど、現在の社会的背景を考えるとなかなか難しい問題がいくつも挙げられます。

また、後継者がいたとしても継ぐことで担保を肩代わりしなければならないといったことも浮かびます。中には親族とは関係のない後継者候補をスタッフから募るオーナーもいて、運よく後継者候補が見つかったとしても、その場合には株式を買い取ってもらう必要が出てくるので、多額の資金を持っていなければならないのです。

加えて担保や個人保証の継承も難しいという問題が挙がってしまいます。M&Aであっても親族のように血のつながりのない人に企業・事業を任せることになりますが、M&Aでは基本的に売り手側の店舗よりも大きなところに買収されていく形になります。そのため、株式購入における資金の問題をクリアしやすく、スムーズに継承できるようになっているのです。

M&Aは最近になって活発に行われるものになりましたが、これまでは増え続ける調剤薬局の競争や地方では人手が足りない問題で事業継承を諦めて廃業を選択するという人も多くいました。廃業という選択肢はこれ以上赤字を出さないための最終手段のように思われますが、実はこの廃業はかえって赤字になってしまう可能性が高くなっているのです。

調剤薬局はオーナーが最後に受け取れる利益を捻出するの難しいため、清算するための費用がかかり、これが赤字をつくる原因になってしまっています。プラスして廃業は従業員にも迷惑がかかってしまう選択でもあります。利用している近隣住民への影響も多く、できる限りは避けるべき選択だと言えるでしょう。

この事実を踏まえて様々な問題解決の糸口となるM&Aは大変魅力的なものに見えるはずです。続いての見出しではM&Aのメリットをご紹介していきます。売り手側のみならず、買い手側にも大きなメリットがあるので、どちらも理解し頭の中に知識を入れておくことで、今後のM&Aの交渉に役立ってくるでしょう。

■売り手・買い手どちらにもメリットがあるM&A



【売り手側のメリット】

やむを得ない選択として選ばれる廃業とは違い売り手側に大きなメリットがあるからM&Aは選ばれています。まずは売り手側のメリットから見ていきましょう。

・後継者の悩みを解消

M&Aの選択によって得られるメリットとして一番に挙げられるのが、この後継者問題の解消でしょう。後継者が見つからないという悩みの多くはオーナーに問題があるのではなく、後継者の将来的な不安があるからです。

経営者としての重い責任を背負いたくないことで事業継承ができずに悩んでしまうでしょう。しかしM&Aという選択では、薬局を買いたいと願い出るところも多く、素早く後継者探しができます。

・薬剤師が足りない問題を解決できる

M&Aを行うことで薬剤師不足も解消できるでしょう。特に人材が不足している地方においては、かなりこのメリットが大きく感じるはずです。

調剤薬局の運営条件となる薬剤師常駐という問題をクリアして、引き続き地域の方に利用してもらえる薬局となるでしょう。事業規模が大きい調剤薬局に売却することができれば、薬剤師の派遣も可能となり、緊急時にも対応できるようになります。

・事業再生で利益を増やせる

M&Aによって事業継承が行われれば、継続して調剤薬局の運営が可能となるため利益が生まれます。加えて薬剤師不足解消することで事業再生も可能になります。

これに関してはM&Aにより複数の事業を経営する場合に当てはまるものになりますが、片方の収益が少なくなったとしても、もう一方の事業で埋められるといったように、補いながら収益を確保し続けられます。

・資金調達がしやすい

M&Aの売却先となるのは基本的には大きい企業です。上場していることも多く、企業による信頼性が高いと感じられるようになっています。

信頼性がアップすることで資金調達もしやすくなるでしょう。融資を受けられ、様々なことにチャレンジできるようにもなります。

・節税できる

調剤薬局におけるM&Aは手法によっては節税することも可能です。累進課税制度により、普通ならば薬局を売却する時の売却益は、所得税の課税対象となってしまい売却益が多ければ多いほど納税額の負担も大きくなってしまうのです。

しかしM&Aにおける株式譲渡であると、その対価は譲渡所得になります。この場合、金額に左右されることなく一律20%の英率が適用されるので節税できる可能性が高まります。

・担保と保証も解消できる

M&Aを行えば担保や個人保証も解消できます。売却・統合前の小さな調剤薬局では、その薬局自体が経営者名義にの資産になるのですが、同時に負債に関する借入金なども経営者名義となっています。

M&Aによって担保と個人保証を解消でき、原則包括承継にあたるため、どちらも引き継いでもらうことができます。これにより経営者というプレッシャーからも解放されることでしょう。

【買い手側のメリット】

M&Aにおいてメリットがあるのは売り手側だけではありません。買い手側にもメリットがあるからこそ、M&Aのやり取りが盛んになっているのです。それでは買い手側のメリットついて見ていきましょう。

・新規でも参入しやすい

M&Aはこれから初めて開局を望む人でも始めやすいものになっています。調剤薬局を一から新規として始めるには薬剤師確保と許認可が必要です。M&Aでは既に経営を行ってきた調剤薬局を買収して、常駐している薬剤師の力を借りながら許認可を引き継ぐことができ、新規参入が難しいという問題の解消ができるようになっています。

加えて新店舗を立ち上げることはなく、建物の取得や調剤に必要となる器具なども揃える必要はありません。一部買い替えが必要なものはあるかもしれませんが、それでも新規で立ち上げるような巨額な費用を負担することはないでしょう。

このことから万が一事業に失敗した時のリスクも低いと言えます。投資を最小限に抑えられるメリットで安心して働けます。

・薬剤師の確保が可能に

売り手側同様に買い手側にも薬剤師の確保ができるというメリットが挙げられます。言い方は悪いですがM&Aというのは企業や事業のみならず従業員の買収もできる方法です。薬剤師を確保して、店舗の営業を滞りなくする他、既に他の調剤薬局とM&Aを行っており、その店舗で人材不足が見られればそちらに派遣することだってできるでしょう。

このスキームを実行するために買い手側は薬剤師を多く抱えている調剤薬局の買収が望まれますが、マッチングに成功すれば薬剤師確保という大きなメリットが得られます。

・事業規模の拡大につながる

調剤薬局を買収することで単純に考えて店舗が増えることになります。事業規模の拡大を図ることができるので利益を大きくする他、薬の大量仕入れが可能になるので、仕入れ単価を下げてより売り上げに繋がる仕組みを構築できるようになるでしょう。企業の成長スピード期待が持てそうです。

・従業員のやる気がさらに上がる場合も

ベテラン従業員や優秀な人材を持つ調剤薬局との買収ができれば、買い手側店舗の従業員のやる気が上がることが期待できます。切磋琢磨し合うことで、その他従業員のやる気も引き出してより一層業務が効率化していくことも考えられます。

・売り手側のノウハウを獲得・活用できる

M&Aを行うことによって売り手側が築き上げてきたノウハウを得ることだってできてしまいます。買い取りを希望するような大きな調剤薬局は本部である程度決められたルールを守って運営を行うことでしょう。ただそのルールは都心部では通用したとしても地方に至っては何も役立たないこともありえるのです。

そんな問題を地方薬局としてノウハウを培ってきた企業を買収して、役立つ手法を得て活用していけます。地域の特性に合わせたノウハウの獲得で、地方店舗での売り上げ向上と業務効率向上が期待できます。

・地方の信頼を得られる

地方にあった運営ができると言った先ほどの説明から、M&Aは地方の信頼も高められるものだと言えるでしょう。小さな薬局もチェーン展開となるので、強力なブランド力を活用して、さらに信頼できる調剤薬局と呼ばれることもできるはずです。顧客から引き続き利用してもらえる他、新規顧客も獲得にもつながります。

盛んに行われている調剤薬局M&Aはアテックにご相談を!



最後に、調剤薬局M&Aを行うにあたって役立つアテックについて説明していきましょう。アテックとは日本初の薬局M&A専門会社になります。行うことは仲介業務で、簡単に言うと調剤薬局を買収したいオーナーと、調剤薬局の買取を希望する人を結び付ける業務を行っているのです。

こうしたマッチングサービスは他にも多く存在しているものの、アテックは調剤薬局分野におけるM&Aを専門にした会社で、老舗ということからたくさんのオーナーに選ばれています。加えてなんと仲介料は売り手側に限り無料となっているのです。薬局を売却したいオーナーの費用負担を大きくすることなく、事業継承していけるため、より一層利益に繋がるM&Aができるというわけです。

アテックが行う仲介は様々な調剤薬局に対応しています。リタイヤを考えるほどの状況に陥っている店舗でも、買い手を見つけ出してくれます。その店舗にしかない魅力を見つけ出して、積極的に買取希望会社にアピールできる強みがアテックが選ばれている理由になります。

ぜひ、ハッピーリタイヤを考えている方はアテックを利用してみてはいかがでしょうか?売却までの流れをきちんと説明し、一つひとつの過程で双方満足するようにM&Aを行っていくので、ご紹介してきたメリットをしっかりと獲得できるはずです。
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