薬局の事業承継・M&Aを行う場合、単に株式を譲渡するだけではなく、譲渡後に円滑に仕事が行えるように、いくつかの引き継ぎが発生します。
そこで今回は、薬局を譲渡する際にやっておきたい引き継ぎの内容をご紹介したいと思います。
目次
1.医療機関へのオーナー・管理薬剤師の紹介
調剤薬局では、病院やドクターとの関係性がとても重要です。その病院の癖やドクターの癖などももちろんあるでしょう。
それまでにどのような付き合いをしていたのか、どういったコミュニケーションが好まれるのかといった点も引き継いであげると良いでしょう。
いかに円滑に業務を遂行し、これまでと変わらない付き合いができるのかを考えて、引き継ぎをおこなう事が譲渡先企業にとっても重要になります。
長年の関係をしっかりと継承するために、元オーナーや従業員の方に数ヶ月残ってもらい、こうした関係性の引き継ぎを行う場合もあります。
2.特徴のある患者さんのリストや対応方法の引き継ぎ
その調剤薬局を長年使っているお客様にとって、オーナーが変わったからといって、全て一から説明しなければならない状況というのは好ましくありません。客足が遠のいてしまう原因にすらなってしまう可能性もあります。
お客様にとって重要なのは、オーナーが変わっても、これまで通り不便なく通うことができる状況を維持してあげることです。
そのため、特徴のある患者さんのリストおよび、それらの対応方法をできるだけ事前に引き継いであげることが重要です。
3.取引先の情報・関係の引き継ぎ
仕入先企業との取引状況や、付き合いのあるMR情報など、薬局を運営していく上で、どのような取引先企業とどのような形で関係を作ってきたのかをしっかりと事前に共有しておくことが重要です。
病院やドクターへの紹介だけでなく、こうした取引先企業の紹介も薬局譲渡の際には行っておくと良いでしょう。
4.スタッフの癖や人間関係および対応方法の引き継ぎ
薬局自体だけでなく、スタッフがそのままその薬局に残る場合、それぞれのスタッフの仕事上の特徴や癖、スタッフ間の人間関係等を引き継いでおくことは、薬局経営において一助になります。
特に、人間関係でのトラブルなどは、トラブルを起こしやすい人はそれを繰り返しがちです。そのため、過去にあったトラブルと、その対処方法などはできるだけ共有してあげることが重要でしょう。
5.薬の出し方や説明の仕方の説明
薬の出し方や、説明の仕方は薬局によって様々です。
「前オーナーのときは詳しく説明を受けていたのに、新オーナーになってからは説明が簡易的で不安を感じてしまった」
というような印象を持たれてしまうことは、薬局にとって好ましいことではありません。そのため、前オーナーのときにはどのように説明を行っていたのかを説明してあげるようにしましょう。
新オーナーがそこからさらに利用者に寄り添った対応を行ったり、改善を行うこともあるでしょう。
まとめ:薬局を譲渡する際にしておきたい引き継ぎの内容
いかがでしたでしょうか。
薬局を譲渡する際にしておきたい引き継ぎの内容についてご紹介させていただきました。
薬局の譲渡を受ける企業や薬剤師にとっては、前オーナーと同じように経営していけるのか、さらには売上を拡大していくことができるのか?というのは不安のタネの一つです。
引き継ぎをしっかりと行ってあげることで、譲渡するオーナー、譲渡を受けるオーナーの双方にとって良い状態を作ることができます。
ぜひこちらを参考に、薬局譲渡を成功に導いて下さい。