薬剤師が調剤薬局を独立開業するメリットとは?

薬剤師の中には調剤薬局に独立開業に興味を持つ方は多いでしょう。独立する理由は人それぞれ異なりますが、現状に不満があり、その不満から抜け出したいという思いから決意する人は多いです。

独立を考えているのであればそのメリットを確認していきましょう。今回は薬剤師が抱える不満や独立開業のメリット、さらに独立開業をサポートしてくれるサービスについてご紹介していきます。

■勤務薬剤師が抱く不満

勤務薬剤師の中には様々な不満を持って働いている人がいます。人によって不満は違いますが、どのようなものが挙げられるのでしょうか?

【対人関係に関する不満】

薬剤師は人と接する機会が多い仕事であり、対人トラブルに不満を持つ方は多いです。顧客や職場の人間、処方元の医師とのトラブルに直面するケースも珍しくありません。

・職場への不満

狭い職場なので人間関係が崩れてしまうと、全体の空気が悪くなってしまいます。なかなか改善されずストレスを感じる薬剤師は多いようです。他にも自信のない処方箋は目をくれず、誰もやらないから自分がやるはめになるという不満もよくあります。

不満は薬局オーナーにも向けられています。具体的には要求通りに動いたところ、理不尽に叱られるということです。

例えば、不良在庫を最小限の抑えることは経営でも重要なことで、「在庫を絞れ」と指示されることがあるでしょう。しかし、調剤薬局はどんな処方箋がいつ来るか予測が難しく、返品した後に処方箋が来ることも多いので、ある程度在庫管理に余裕が必要です。しかし、「もっと絞れる」と指示され絞った結果、欠品が続く事態となり、そのことを理不尽に怒られるといったケースがあります。

・医師への不満

医師の処方箋に間違いがある場合、薬剤師は勝手に修正できないので医師に確認しなければなりません。しかし、医師の中には非を認めず、薬剤師が怒られるケースもあります。薬剤師は失礼にあたらないよう、疑義照会の内容を把握し、丁寧に話すことを心掛けると思いますが、理不尽な立場に立たされることは多いです。

また、新薬を使う予定なので在庫に置いてほしいと医師から頼まれたものの、数ヶ月経っても処方箋が来ないという不満もよく見られます。これは在庫管理に負担をかけることになるので、薬剤師にとって使用するか分からない薬の在庫追加は困るでしょう。

【仕事への不満】

これは上記の対人関係とも直結しますが、薬剤師は仕事上、様々なストレスを抱え込むことがあります。では、どのような不満があるのか見てみましょう。

・他の薬剤師が仕事をしない

薬剤師の中には忙しい時間帯なのに、してほしい仕事とは別の仕事に逃げる人もいます。これは働かない薬剤師だけではなく、仕事を指示する上司の管理不足も関係しています。他のスタッフに配慮のない人がいる環境に真面目に働く人は不満や苦痛を感じることでしょう。

・やる気のない実習生への指導

薬学部は現在6年生で、長期的な実務実習が必要となっています。3ヶ月間、調剤薬局やドラックストアで実務を行うことになりますが、学生の質が下がっている背景やすでに就職が決まっているなどの理由で、やる気がない実習生が目立っています。

薬剤師は通常業務と同時に、実習生へ指導を行わなければなりません。しかし、その中にやる気のない子がいれば、スムーズに運ばないのでイライラしてしまうでしょう。その上、上司や周りの従業員が非協力的だとますますストレスを感じてしまいます。

・理不尽なクレーム

薬剤師はクレームの対応もする必要がありますが、その中には理不尽な内容や警察沙汰になるトラブルまであります。例えば、処方箋がないのに「いつもと同じだから先に用意しておけ」と言われることもあり、出さないと営業妨害をする顧客は珍しくありません。「この薬はいらない」と外すように要求され、それはできないと断ると怒り出す顧客もいます。

・疑義照会で怒られる

医師との対人トラブルでもご紹介しましたが、疑義照会をしたことで理不尽に怒られたり、スムーズに疑義照会ができなかったりする薬剤師は多いです。薬剤師は処方箋に疑義がないか確認して調剤する必要があり、問題が見つかれば確認が必要なので顧客を待たせてしまうことになります。

スムーズに対応したところですが、病院によっては取り次がない医師も存在します。また、医師と連絡がついても「診察中に連絡するな」などの暴言を吐かれた経験のある薬剤師は多いでしょう。元々は医師のミスなのに、理不尽に怒られたり、顧客から「遅い」とクレームが来たりすることに不満が持たれています。

調剤薬局を独立開業することで得られるメリット

上記の不満から解放されたい思いから、調剤薬局の独立開業を目指す薬剤師は少なくありません。では、独立開業をすることでどんなメリットが得られるのかご紹介しましょう。

・面倒な対人関係から解放される

上記でも挙げましたが、薬剤師は対人トラブルの不満を持ちやすい仕事です。対人関係が悪いと働きにくく、やりがいも失われてしまうでしょう。独立すれば今までの人間関係を断ち切ることができ、また相性の良い従業員を雇えるので対人関係をリセットできることが一つのメリットです。

・自由な時間が手に入りやすい

薬剤師は調剤や顧客に薬を渡すだけではなく、監査や服用指導、薬歴の記入など色々な業務があります。業界全般が人手不足の影響もあり、一人あたりの負担は大きなものです。時間に追われることもしばしばありますが、経営の立場になれば自由な時間設定ができるので、時間の確保にも余裕が生まれてきます。

・自分が理想とする薬局を実現できる

職場に不満がある人は理想的な薬局と感じていないからでしょう。調剤薬局オーナーになれば、自分が理想と思える経営を実現することが可能です。

・自分の努力で年収アップが見込める

薬剤師は激務でありながら低給料の業界であり、金銭的な不満を持つ方は多いです。調剤薬局オーナーは売上の一部を自分の収入に当てることができるので、勤務薬剤師よりも給与アップが見込めます。自分の努力で多くの処方箋数を獲得できれば、もっと年収をアップさせられ、やりがいも大きくなることでしょう。

・定年なしで、気が済むまで働き続けられる

勤務薬剤師なら定年退職があり、延長して働けるとは限りません。しかし、調剤薬局オーナーになれば、後継者に引き継がない限り退職を迎えることはなく、定年の定義は存在しません。長く安定した仕事で働き続けたいと思っている方には独立開業が最適です。

薬剤師が転職よりも独立開業をした方が良い理由

薬剤師として働いている方の中には、現状に満足できずに転職をしたいと思っている人もいるのではないでしょうか?しかし、中には独立開業をしたいと考える方もいるでしょう。

考え方によっては転職よりも独立開業をした方が良いと言われることもあります。では、薬剤師が転職よりも独立開業をした方が良い理由にはどのようなものが挙げられるのか見ていきましょう。

【なぜ独立開業を選ぶのか?】

近年、転職よりも独立開業を選ぶ薬剤師が増えています。なぜ独立開業を選ぶのかというと、薬局を経営することで収入を大幅に増やせる可能性が高くなるからです。収入を増やしたいという動機は非常に健全なものです。

また、薬局に勤めている中で、自分がやりたいように経営をしていきたいという欲求が出てくることも当たり前だと言えるでしょう。独立開業をするというのは、簡単なことではありません。そのため、勤めている中で上手くいかないことがあったから独立をするという考えでは上手くいかず、結局失敗してしまう可能性が高まるということになります。

【独立開業することのメリットやデメリット】

独立開業することのメリットは、収入を増やせるということ、自分の好きなようにできることで達成感を感じられるということ、堅実な商売ができるということが挙げられるでしょう。経営者として成功できると、年収1500万円以上を得ることもできます。

また、勤務している時のように定年退職という概念がないことから、元気なうちはいつまでも働き続けることができ、自分が好きなように経営ができます。そのため、非常に大きな達成感を感じられるはずです。

それだけではなく、薬局の場合は売上の回収で失敗をする可能性が非常に低いです。取引先が倒産してしまうと、売掛金を踏み倒されてしまう可能性もありますが、薬局の場合はそのような心配をする必要がありません。それを踏まえて考えてみると、堅実な商売ができるということが分かります。

独立開業をすることでこのようなメリットを感じられます。しかし、メリットがあるということは、デメリットもあるということです。

独立開業することのデメリットとして考えられることは、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまうということです。経営者はある意味24時間勤務をしているようなもので、何かトラブルが起こった際には全ての責任を負い、対処をしなければいけません。薬剤師を雇うためのマネジメント業務もになうことになるので、大きな負担を覚悟しなければいけないでしょう。

独立開業するということは、デメリットもつきものです。しかし、大きなメリットを感じられるため、独立開業したいと考える薬剤師が増えているのです。

フランチャイズでの開業もおすすめ

独立を考えている薬剤師は多くいます。しかし、立地をどのように選んだら良いのか、薬剤師はどうやって見つけるのか、帳簿はどのようにつけるのかなど、分からないことばかりなので躊躇ってしまうというケースもあります。また、開業資金がないという場合は、銀行に融資をしてもらえるか不安だと考える方もいるでしょう。

そのような考えを持つ薬剤師におすすめなのは、フランチャイズでの開業です。フランチャイズでの開業は、保険薬局という業態を選択する方が多くなっています。そこで続いては、フランチャイズで開業をする際に知っておきたいメリットやデメリットについてご紹介していきましょう。

フランチャイズで開業をする際に知っておきたいメリットは、立地を選ぶ時のアドバイスや店舗の提案をしてもらえることや、資金や各種申請に関するアドバイスをしてもらえること、薬剤師の採用もサポートしてもらえること、医薬品購入費を減らせることなどが挙げられます。これらは、薬局経営する際の負担になりやすいことなので、サポートしてもらえるメリットは非常に大きいと言えます。その中でも、医薬品購入費を減らせることは、フランチャイズで薬局を開業する最も大きなメリットだと言われています。

しかし、フランチャイズで開業をする際に知っておきたいデメリットもあります。フランチャイズで開業をする際に知っておきたいデメリットは、ロイヤリティーが発生するということ、屋号が収益につながる可能性が低いということです。

ロイヤリティーは本部に売上の何%かを支払わなければいけないというもので、経営者自身の報酬が少なくなってしまいます。また、薬局は屋号で選ぶということがほとんどないため、フランチャイズであっても集客が難しい可能性があります。

フランチャイズでの開業は、このようなデメリットがあるということを知っておいた方が対策を講じられるため、上手くいく可能性が高まります。フランチャイズでの開業を考えている薬剤師は、このようなポイントも覚えておきましょう。

独立開業をサポートする、アテックとは?

薬剤師の独立開業は、自分自身の力だけでは難しい部分がたくさんあります。そのため、サポートしてくれる心の拠り所のような場所を見つけておくと安心感が高まるでしょう。しかし、そのような場所を見つけることも容易ではありません。

そんな時に知っていただきたいのが、アテックです。アテックは、薬局M&Aの仲介を行っている会社で、これまでに多くの実績を残してきました。薬局経営の相談から物件の引き渡しまでトータルでサポートをしてくれる会社でもあるため、相談しやすい環境も整っています。

アテックが提供しているサービスの中には、ファーママーケットというマッチングサイトもあります。ファーママーケットでは、譲渡したいと考えているオーナーと買収したいと考えている人を結び付けるためのサポートをしています。

薬局経営をしたいと考えている薬剤師の方は、このようなサービスを有効に活用してみてください。そうすることで、独立開業したいという夢が叶う可能性が大きく高まります。悩んでいてなかなか前に進めないという方には、アテックに相談したり、ファーママーケットを活用してみることをおすすめします。

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