近年、調剤薬局を売却するオーナーが増加傾向にあり、業界内ではM&A・事業承継が盛んに行われています。様々な理由で調剤薬局の購入を考える個人・企業は多く見られますが、実行するにはまず案件を探す必要があるでしょう。 調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探す方法には、どのような手段があるのでしょうか?今回は調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探す方法や良い調剤薬局を選ぶポイントなどについてご紹介していきます。目次■調剤薬局業界でM&A・事業承継が盛んな理由■調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探す方法■より良い調剤薬局を選ぶ時のポイント■調剤薬局のM&A案件はアテックで見つけよう■調剤薬局業界でM&A・事業承継が盛んな理由 調剤薬局業界は、制度の改正やオーナーの高齢化などの理由から廃業が増えている現状です。成長に伸びや悩む業界内では、売り手・買い手の両方は様々な事情や目的からM&A・事業承継が盛んに行われています。まずは調剤薬局業界でM&A・事業承継が盛んな理由から解説していきましょう。 ・売り手側はオーナー高齢化や存続を目的に実施 調剤薬局業界のM&A・事業承継の売り手側は、オーナーが高齢化した個人薬局に集中しています。2016年に厚生労働省が発表した調査によれば、60歳を超える薬剤師は全体の17%です。70歳以上の薬剤師は薬局勤めが増加しており、ほとんどが個人経営の薬局オーナーであると考えられるでしょう。 また、経営コンサルタントを手掛けるフォーバルが2017年に発表した調査結果では、親族に事業承継している割合はわずか4割となっています。つまり、親族内で後継者がいる調剤薬局は少なく、半分を超える数が第三者へ事業が渡っていると言えます。後継者不足に悩む個人オーナーは多く、事業を存続するためにM&A・事業承継の選択に至っているのです。 大手調剤薬局も店舗を売却するケースが増えています。2018年の制度改正で調剤報酬が引き下げされ、薬局グループは売上低下の影響を受けると予想されます。グループ内の売り上げの基準を満たす目的や事業の存続、従業員が安定して働くためにも店舗の売却はやむを得ない選択でしょう。 ・買い手側はかかりつけ薬局の強化や規模拡大が狙い 厚生労働省は地域医療を強化するためにかかりつけ薬剤師・薬局への移行を推進しています。調剤報酬の引き下げで門前薬局と薬局グループは影響を受けるので、存続するにはかかりつけ薬剤師・薬局の強化が求められているのです。 地域に根差し、様々な相談に対応できる知識と技術を有する薬剤師は調剤薬局の発展に欠かせないパーソンです。そのため、地域ケアが可能な個人・中堅グループのかかりつけ薬局を狙って、買収が増えると予想されます。 診療報酬の改正は毎年と変更され、今後はより厳しい基準での改正がある可能性が懸念されます。中堅グループも企業希望を拡大して存続をかけて、積極的に買収する傾向が強まりました。■調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探す方法 ・M&A・事業承継の仲介会社に相談する M&A・事業承継を専門とする仲介会社に相談すれば、希望に合った買収先を選定してくれるので、効率良く最適な案件を見つけ出せます。また、交渉や手続きなどを総合的にサポートしてくれるので、知識が少ない人も安心です。 なお、仲介会社によって得意な業界は異なります。相談する際は、調剤薬局のM&A実績が多いところか、業界に特化したところを選びましょう。 ・マッチングサイトから探す M&A・事業承継のマッチングサイトでは、調剤薬局の買収・事業承継の案件が多数掲載されています。自ら案件を選定することができ、また交渉も自分のペースで行える点が利点です。売り手側として、買い手側に向けて募集をかけることも可能です。 マッチングサイトで探す場合、M&A・事業承継に関する知識が必須です。ただ、運営元で仲介サービスを行っている場合、相談や仲介を依頼できる可能性があります。利用する際はサイトの特徴やM&A・事業承継の相談が可能かどうか確認しておくと安心です。 ・銀行に相談する 銀行でもM&A・事業承継の相談に対応しているところがあります。買い手側の場合、M&A・事業承継では多額の資金を必要とするので、融資や資金調達の相談も同時に可能です。取引のある銀行であれば親身に対応してくれるでしょう。 メガバンクと地方銀行の2つがありますが、メガバンクでは大型案件が中心なので調剤薬局は少ない傾向にあります。個人や中堅を狙う場合は、地方銀行の方が案件は見つかりやすいでしょう。 銀行での案件探しの注意点は、最終的にM&A・事業承継の手続きは提携している仲介会社に委託されるケースがほとんどであるということです。委託先が必ずしも調剤薬局に熟知しているとは限らないので、良い成約に結び付かない可能性も考えられます。 ・士業専門家に相談 士業専門家とは弁護士、会計士、税理士のことです。得意な分野が明確なので、相談したい内容がはっきりしていれば、的確なアドバイスをもらえます。 ただし、銀行同様に相談やアドバイスまでに留まり、M&A・事業承継の手続きは提携の仲介会社に委託の場合が多いです。きちんと調剤薬局業界で実績がある仲介会社に委託されるのか、よく確認しておくようにしましょう。 ・事業引継ぎ支援センターに相談する 各都道府県には、商工会議所などが運営する事業引継ぎセンターが設置されています。そこでは、専門家が事業承継に関する課題解決のアドバイスから情報提供、マッチングの支援などが行われています。 事業承継のことを相談すれば無料でアドバイスが受けられ、さらにM&A・事業承継の専門機関の紹介もあります。案件によっては専門機関と連携し、事業引継ぎ支援センターが独自で支援するケースも多いです。ただし、調剤薬局の実績はそれほど多くないので、案件を効率よく探す手段には適しません。 ・おすすめは仲介会社とマッチングサイト 調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探すのであれば、専門知識が豊富でサポート体制が整った仲介会社か気軽に案件を探せるマッチングサイトの利用が最も良い方法です。ただ、仲介会社は相談や案件の着手、成約の達成、月額報酬など、様々な費用がかかることを理解しておく必要があります。 マッチングサイトの場合、案件の掲載のみなら無料としているケースが多いです。またどのような売り手・買い手がいるか、傾向の把握にも役立ちます。早期から準備を始めていくのであれば、いきなり仲介会社ではなく長い目を見てマッチングサイトで探してみるのも良いでしょう。■より良い調剤薬局を選ぶ時のポイント M&Aを成功させるためにも薬局選びは重要なポイントです。そこで、より良い調剤薬局を選ぶ際のポイントを解説していきましょう。まずは、調剤薬局の選び方で考慮すべきポイントについて考えていきます。 ・応需枚数について 1人薬剤師体制での運営を検討している場合、1人でも手が回る応需枚数を考慮しなければいけません。応需枚数が過剰であると労務費も掛かってしまうため、利益を圧迫する可能性があります。反対に応需枚数が少ない場合でも、在宅対応や一包化作業によって対応が追い付かない可能性もあり、注意が必要です。 ・エリアについて 通勤時間が掛からない方への手間がないと考えられますが、「自宅から30分以内」などでは、最適な案件を見つけることに苦労してしまうでしょう。タイミングを逃してしまう可能性もあるため、通勤時間を細かく設定して想定しないようにすると、より良い案件を見つけやすくなります。 ・薬剤師の雇用について 薬剤師は不足していると言われ、採用するにも厳しい状況にあります。大型案件から始めてしまうと、薬剤師の雇用も複数人必要になってしまうため、1~1.5人体制で行う調剤薬局を始めに考えることが望ましいと言えます。 また、薬剤師の雇用に関しては労務費が掛かるだけではなく、人間関係といった問題も同時に起こります。自身のメンタルにも関係してくるため、大型案件を考える際には様々な角度に注意する必要があるでしょう。 ・ドクターについて 調剤薬局を選ぶ際にはドクターの年齢にも注目してみましょう。後継者がいれば問題ありませんが、後継者がいない場合にあまりに高い年齢のドクターであると早い段階で病院が閉鎖する可能性もあります。 できれば50代や60代までのドクターである方が、長い運営を期待できるでしょう。それに加えて後継者がいることで、さらに安心して運営を続けることができます。 より良い調剤薬局を選ぶためには、見極めたいポイントもあります。自分に合った調剤薬局を見つけるためにも人件費やエリアについてじっくりと見極めていきましょう。 ・人件費について 買収したい調剤薬局の人件費を見てみましょう。薬剤師が複数名在籍していたり、高い給与を支払っていたりする可能性もあります。 人件費を削減するためにも、応需枚数から適正な人数を見極めることが大切です。大幅に削減できる可能性もあるので、しっかりと確認しましょう。 ・赤字店舗について のれん代とも言われる営業権は利益の数年分として算出されます。そのため、赤字の調剤薬局であれば営業権が掛からない可能性があるのです。黒字の調剤薬局の方が買収する魅力が高いと考えられますが、営業権がかさむので注意が必要となります。 ・エリアについて 考慮すべきポイントにもありますが、自宅から近い方が魅力ですが、より良い案件を探すには時間も掛かり難しいことが考えられます。そんな時には、エリアを広げてみることも考えましょう。 地方では薬剤師不足から利用者がいても調剤薬局を手放してしまう人がいます。問題のない状況で引き継げる可能性もあるので、エリアを広げてみることもポイントの1つとなっています。 また、調剤薬局の事情によっては相場よりも安価な値段で売却を考えている地方の薬局もあります。エリア以外は条件に合う薬局も存在しているため、視野を広げてみることも大切でしょう。 ・内覧について 事業を引き継いでから後悔しないためにも調剤薬局の内覧や周辺環境の確認は重要となります。薬歴記載状態の確認や使用している機器、処方指示や使用している薬剤についてしっかりと確認しましょう。■調剤薬局のM&A案件はアテックで見つけよう より良い調剤薬局を見つけるためには、様々なポイントに注目し、見極めていかなければいけません。最適な調剤薬局を見つけるためにも、事業引継ぎ支援センターなどに相談することで案件を探すことができますが、調剤薬局のM&Aであれば調剤薬局に特化した仲介会社を選ぶことで、より収益性が高い調剤薬局を見つけられるでしょう。 その中でも、「アテック」はおすすめの仲介会社です。アテックは日本初の調剤薬局M&A専門の仲介会社で、1991年に創業してから多くのM&A・事業継承を手掛けてきました。 役員には、調剤薬局経営経験者や薬剤師が在籍しているため、調剤薬局業界の現状を理解している人が多いことが特徴です。そのため、薬局のオーナーだけではなく、承継者や患者様、地域社会など、多くの人が満足できるM&Aを実現する力があります。 M&Aを行うにあたっては様々な不安もあるでしょう。例えば、地方にある小さな調剤薬局の場合、売却するのは難しいのではないかと不安を抱えるオーナーは多いです。 しかし、今の調剤薬局業界では規模の大小はあまり関係ないと言います。新しく薬局を立ち上げて1から経営をするよりも、利用者がいる調剤薬局の方が実績や信頼があり、引き継ぎたいと考える買い手側が多いことが考えられるのです。 しかも、創業以来700にも及ぶ案件を成功させてきたアテックの実績のほとんどが、個人経営をしている薬局が対象になっています。売上高1億円以下の調剤薬局もこれまでに多く仲介をしてきた実績があるため、安心して任せられるでしょう。 譲渡を考えているオーナー側としては、現状の薬局とは正反対の薬局にされてしまうのではないかと不安を抱えることもあるでしょう。在籍している薬剤師やスタッフのことを考えても、心配事がたくさんあるはずです。しかし、アテックではM&Aの交渉の際に独自の条件を付けることも可能なので、オーナーの気持ちを尊重した承継が可能となるでしょう。 アテックでは、調剤薬局を譲渡したいオーナーと買収を考えている経営者、独立を考えている薬剤師を結び付けるマッチングサイトの「ファーママーケット」も運営しています。売却希望や購入希望などの情報を手軽に確認できるので、M&Aを考えている人に役立つサイトです。調剤薬局のM&A・事業承継の案件を探す方法はいくつかの種類がありますが、アテックやファーママーケットを活用してM&Aを成功させていきましょう。