より多くの知識を身に付けなければいけないので、ハードルが高いと感じてしまう人もいます。確かにハードルは高めですが、薬局経営・独立を成功させるためのポイントを把握していれば効率的に独立できる可能性が高まります。
では、薬剤師が独立する際にどのようなポイントを押さえて置けばよいのかみていきましょう。
■調剤薬局で独立する方法とは?
薬剤師が独立するためには、独立案件を見つけなければいけません。独立案件は個人的に探すこともできますが、他社の力を借りた方が見つけやすくなったり、より大きなメリットを享受出来たりする可能性もあります。では、どのような方法で独立案件を見つけられるのか、ここでは4つの方法をご紹介します。・新しくクリニックを開業する医師と共に薬局を開業する
1つ目は、新しくクリニックを開業する医師と共に薬局を開業する方法です。
クリニックの新規開業に合わせて薬局を開業できれば、ゼロから理想的な医療体制を提供できるようになります。立ち上がりが早い段階で見込めれば、初期投資も抑えられるので理想的な方法だと言えるのです。地域医療を支えたいとの想いを持つ医師と出会えたなら、チャレンジしてみる価値は大いにあります。
ただし、クリニックや薬局を開業しても患者数が見込めなければ赤字が続いてしまいます。いかに集客できるかが重要になるため、立地条件などによっては厳しい結果になってしまう可能性があることも念頭に置いておかなければいけません。
・院内処方から院外処方に切り替えるタイミングで開業する
2つ目は、院内処方から院外処方に切り替えるタイミングで開業する方法です。
院内処方から院外処方に切り替えるタイミングで開業した場合、既存の顧客が既についているので赤字のリスクはかなり低くなります。開業後の数字も読みやすくなりますし、不確定要素を可能な限り減らせるのも大きなメリットになります。初期投資も早い段階で回収できる可能性が高いため、収益化もしやすくなる方法です。
しかし、日本薬剤師会によると医薬分業率は既に80%近くなっています。多くの病院が院外薬局に切り替え終わっているため、これから切り替えようとする医師を見つけるのは難しいです。中には、病院の後継者不足を理由にM&Aで譲渡して院長交代のタイミングで院外処方に切り替える場合があるので、そのようなケースを狙っていけば独立できる可能性が高まります。
・独立支援やフランチャイズ制度を取り入れている会社に入社する
3つ目は、独立支援やフランチャイズ制度を取り入れている会社に入社する方法です。
独立支援を行っている会社へ入社すると、案件が来た時に株式を半分ずつ保有して会社を立ち上げ、軌道に乗るまで経営などに関するサポートが受けられます。数年後に株式を買い取って完全に独立できます。ただし、3年で独立できると言われたのに4年とか5年といったように期間が延びてトラブルに発展する場合があるため、信頼関係がかなり強固でなければ成立が難しい方法でもあるのです。
フランチャイズ制度を取り入れている会社へ入社すると、開業までは比較的スムーズに進むケースが多いです。開業はスムーズにできたとしても、親会社にロイヤリティを支払い続けなければいけません。ロイヤリティは、フランチャイズとして独立する際の知識やノウハウを教えてもらう対価ですがそれを巡ってトラブルが生じるケースもあるのは注意すべき点だと言えます。
独立支援やフランチャイズ制度を取り入れている会社に入社するとトラブルに巻き込まれてしまう可能性もありますが、独立してからの相談を聞いてもらえたり、サポートを受けられたりするのは大きなメリットです。経営者としての経験値が少ない人であれば、サポートを受けられた方が安心できると感じる傾向があるため、独立支援やフランチャイズ制度を活用した独立も検討してみると良いでしょう。
・M&A仲介会社から紹介してもらう
4つ目は、M&A仲介会社から紹介してもらう方法です。
独立したいと考えている薬剤師が、M&A仲介会社から調剤薬局を売却したいと思っているオーナーを紹介してもらうケースも多いです。一般的には、事業の切り離しを行う事業譲渡という方法が選択されます。事業譲渡をする場合、営業権や仲介手数料、薬剤の購入費用、レセコンのリース代などの費用がかかります。
M&Aを行う場合、既存の店舗を引き継ぐ形になるので売り上げた顧客の傾向を読み取りやすい点が大きなメリットです。経営の見通しや資金調達のしやすさにも定評がある方法となっています。そのため、独立を検討する際に採用されやすいパターンです。
■薬局でも集客は大事!集客力を高めるポイントとは?
調剤薬局のオーナーとして独立するなら、集客がとても重要になります。続いては、集客力を高めるポイントについてみていきましょう。・かかりつけ薬局への登録を目指す
近年、かかりつけ薬局の存在が重要視されるようになってきました。医療機関の処方箋に対応するだけではなく、かかりつけ薬局としての役割を担えるようになっていくことが今後の課題です。かかりつけ薬局というのは、顧客が通いたいと思う薬局を自分自身で選び、その薬局で服薬情報の管理をして双方の関係性を強めていく制度になります。
かかりつけ薬局として利用してもらうためには、処方箋通りに薬を調剤して渡すだけではなく、丁寧な接客や待ち時間を減らすための工夫が必要です。また、他の薬局とは違った強みを打ち出し、リピーターになってもらうことも重要なポイントの1つです。処方箋以外の医薬品の販売など小売業としての側面を持たせることも競合となる薬局と差別化できる要素になります。
・エリアマーケティングを行う
エリアマーケティングを行うのも、集客力を高める重要な要素の1つです。調剤薬局のエリアマーケティングは、商圏内における競合他社や患者層のリサーチや分析をすることです。ターゲットになり得る顧客の人数や年齢層、男女比などが分かれば、独自の販路開拓にも役立ちます。
最近は1つの病院やクリニックに対して複数の門前薬局が設置されているケースも多くなっています。その分競争率が高くなるのです。日本国内の人口減少に伴う顧客数の減少も念頭に置いておくべきポイントの1つです。
競争率が激しい環境の中で生き抜くためにも、エリアマーケティングはかなり重要になります。ターゲティングをしっかりとできていれば、将来的にも生き残れる可能性が高まるため、エリアマーケティングは必ず行うようにしましょう。
■地域に根差した薬局を目指すには?
薬剤師が独立して調剤薬局の経営を行うためには、前述したようにかかりつけ薬局として利用してもらったり、エリアマーケティングをしっかりと行ったりすることが重要です。つまり、地域に密着した取り組みをいかにできるかが重要だと言い替えられます。では、地域に根差した薬局を目指すにはどうすれば良いのでしょうか。・顧客が持つニーズに合わせた物販を展開する
従来であれば、処方箋の通りに薬を処方するのが薬局の役割でした。それは今でも変わりませんが、最近は医師からの診察がなくても問題ないOTC医薬品や健康食品の販売を行う薬局も増えています。さらに、より顧客のニーズに合わせたサービスを提供するために、食料品や生活雑貨を販売するケースも増えています。
物販を行うことで、顧客とのコミュニケーションを増やそうと考えているのです。健康に関するアドバイスは、服薬の状況を知っているからこそできる部分もあるため、顧客にとってのメリットも大きいと言えます。実際に、オーガニック食品や減塩食品をおすすめすると購入してくれる人が増えた事例もあります。
普段のちょっとした会話の中で潜在的なニーズを把握できれば、より満足度の高いサービスを提供できるようになるのです。
・商圏エリアで開催されているイベントに参加する
地域に根差した薬局を目指すには、商圏エリアで開催されているイベントに参加することも重要です。イベントに参加すれば、広告やCMを打たずとも認知してもらえるからです。薬に関する講演会や相談会などのイベントを行えば、店舗の名前や薬剤師の顔などを広く知ってもらえます。
大規模なイベントでなく町内会に参加するのもおすすめです。薬局をオープンするならどこかの町内会に属しているため、地域住民と関わりを持つために町内会に参加するのは見込み客の獲得にもつながります。
外部のイベントや町内会以外にも、調剤薬局の空いたスペースを使ってセミナーなどを開催する方法もあります。気軽に利用できるカフェスペースを設ければ、新たな交流が生まれる可能性もあるのでおすすめしたい方法の1つです。
・看板などを設置する
調剤薬局に限った話ではありませんが、目につきやすいように看板などを設置するのは集客するための重要なポイントになります。存在を知ってもらえれば、処方箋をもらった際に利用してみようと思ってもらえる可能性が高まるからです。
しかし、何をしている場所なのか分からないような看板では集客につながりにくいので注意が必要です。「処方箋」や「お薬」などの言葉が目立つようなデザインにすると薬局だと認知してもらいやすくなります。認知されれば足を運んでくれる人が増える可能性が高くなるので、看板の存在はとても重要です。
・オンライン服薬サービスを取り入れる
近年、オンライン服薬サービスの需要が高まっています。オンライン服薬サービスは、医薬品医療機器等法が改正されてから始まったサービスで、薬局に足を運ばなくても服薬指導がオンラインで受けられて薬が配送される仕組みです。
以前は服薬指導は原則として対面で行うことになっていましたが、オンライン化によりかなり利便性が高まりました。一定の条件はありますが受信から薬の受け取りまでオンラインで完結するため、移動時間や待ち時間などなくスムーズに完了できます。
残薬の確認に関してもスムーズにできます。画面上でどのくらい薬が残っているか確認し、処方量の調整が可能となるのです。処方量を調整できれば、必然的に医療費の節約につながります。
ただオンライン服薬サービスを導入するだけではなく、しっかりとサポートできるような体制が整えば、頼れる存在になって地域に根差した薬局を目指しやすくなります。
■独立を検討しているならM&Aという方法も
薬剤師として独立したいのであれば、前述したように調剤薬局のM&Aという方法も選択肢の1つになります。M&Aは、Merger And Acquisitionの略称で日本語に訳すと企業の合併と買収という意味です。一般的には、会社や経営権の取得を意味するケースが多いです。調剤薬局のM&Aは、近年増えつつあります。なぜかというと、オーナーの高齢化が進んでいるにも関わらず後継者候補が見つからないケースが多くなっているからです。多くの調剤薬局は、医師と薬剤師の二人三脚で顧客に向き合っているため、薬局だけ閉業できない場合が多く見られます。
顧客が求めるサービスを提供し続けるためにも、後継者を見つけるのは最重要課題となっています。親族や従業員の中で後継者になってくれる人がいれば問題ありませんが、そうでない場合は他で見つけなければいけません。第三者に事業承継するM&Aを選択するケースも増えているので、独立したい薬剤師はそのような薬局を探してみるのも1つの方法だと言えます。
■M&Aならアテックにお任せください!
調剤薬局のM&Aにより、薬剤師が独立するという夢を叶えられます。しかし、専門的な知識が必要になるので、M&A仲介会社などに頼る必要があります。もしもM&Aを考えているなら、ぜひアテックにご相談ください。アテックは、1991年に創業して以来調剤薬局のM&Aを専門的に行っている仲介会社です。これまでに多くの実績を有していて、保有している案件も多くなっています。調剤薬局の経営者になりたいと願う人向けに様々なサポートができる体制も整っています。
アテックが運営するファーママーケットは、後継者を探している調剤薬局の経営者と独立を考えている薬剤師のマッチングサイトです。お互いの条件に合う登録者に出会えるため、後継者探しにも最適です。
独立までスムーズに進められるようなサポートを行っているので、経営者として新たなキャリアを積みたいと考えている人はぜひアテックでのM&Aをご検討ください。