薬局の事業継承を考えているという方は今非常に増えてきています。
事業継承において、M&Aは薬局を売却したい方にとっても、買収したい側にとっても非常にメリットのある方法と言えます。
しかし、薬局M&Aを行うためには、仲介手数料や税金など、取引を実行するための様々な費用がかかります。
M&Aを実施する上で、費用がどのくらいかかるのか理解しておくことは大切なことです。
今回は、薬局M&Aにかかる費用について理解を深めていきましょう。
1.M&Aにかかる費用
M&Aを実施する場合、自社のみでM&Aにおける手続きをスムーズに行う難しさもあって、そのほとんどが仲介会社やコンサルタントなどの専門家を活用することでしょう。
仲介手数料は、そんな仲介会社やコンサルタントに支払う費用のことです。
仲介会社やコンサルタントを活用することで、M&Aの相手先を早く見つけることができるほか、納得のいく金額で薬局の売却をすることができ、効率も良いというメリットがあります。
【仲介手数料】
仲介手数料には、事前相談料や着手金・中間金・成功報酬・最低手数料・リテイナーフィーなどが含まれています。
【税金】
M&Aを実施すると、所得税や消費税などの税金もかかります。
薬局の事業継承を行う場合もM&Aの手法になりますが、M&Aを行う仲介会社や手法によって支払う金額や税金の種類が変わってきます。
また、薬局の事業譲渡であれば、土地や建物が含まれている場合は不動産取引の登録免許税が必要になるほか、譲渡資産負債の消費税が必要です。
2.仲介手数料を詳しく
上記でも触れたように、仲介手数料には事前相談料や着手金・中間金・成功報酬・最低手数料・リテイナーフィーなどがありますが、その中でも重要なのが着手金・リテイナーフィー・デューデリジェンス費用・成功報酬です。
【着手金】
着手金はM&Aの仲介会社に依頼することでかかる手数料のことで、仲介会社によって着手金がかかる所とかからない所があり、事前に各業者を比較する必要があります。
M&Aにはノンネムシートの資料作成や相手会社の選定などに費用がかかります。
着手金が必要になる場合は、それに伴う手数料として50万円~150万円ほど請求されることになるでしょう。
【リテイナーフィー】
リテイナーフィーは仲介会社に毎月支払う手数料のことで、M&Aの交渉にかかる費用や利用手数料などを基に構成されているのが特徴です。
また、仲介会社によってかかるリテイナーフィーの費用には差があることもあります。
リテイナーフィーは毎月支払うものですが、30万円~300万円と大きく違いがあるため、M&Aの取引が長引けば長引くだけその分費用も高くなってしまいます。
そのため、慎重にM&Aを進めていきたい場合には、リテイナーフィーがどのような状況になっているのか確認するのも1つの方法です。
【成功報酬】
成功報酬は、その名の通りM&Aが成立した際に支払う費用であり、数百万円~数千万円単位の費用になるため、必要以上に高い費用がかかるケースも少なくありません。
成功報酬は「レーマン方式」と呼ばれる計算方法を使って算出し、売却買収側に請求される仕組みとなっています。
M&Aの取引金額に一定の報酬料率をかけて手数料学を計算する方法で、報酬料率は5億円以下の部分で5%・5億円~10億円以下の部分で4%・10億円~50億円以下の部分に3%・50億円~100億円以下の部分に2%・それ以上の部分に1%と、額によって報酬料率は下がっていきます。
しかし、取引金額によって支払う費用は変動するため、譲渡金額や企業価値、移動総資産など、何が用いられるのかを把握しておく必要があるでしょう。
【譲渡金額】
譲渡金額を用いて計算する場合、M&Aで譲渡される株価総額から成功報酬が決まってきます。
【企業価値】
株価総額と有利子負債総額を合計して計算する方法です。
【移動総資産】
株価総額と負債総額を合計して計算する方法で、株価総額のほか、有利子負債や負債総額の総額が加算されることになり、成功報酬が多くなります。
こうして見ると、株価総額で算出される譲渡金額を成功報酬に用いている仲介会社を選ぶことで、M&Aの費用を少しでも抑えることができるというのがわかります。
3.事業譲渡の手法にかかる税金
そもそも事業譲渡は会社の一部もしくはすべての事業を売却することになりますが、M&Aを行うと必ず必要になるのが税金です。
薬局の事業継承を行う場合、法人税や消費税が課税されます。
譲渡する事業資産と負債の差額分を超えた売却金額に法人税が課税される仕組みとなっており、土地を除く有形固定資産・無形固定資産・営業権、棚卸資産などが課税対象となります。
薬局の事業継承を行う場合、消費税の税率によって費用が大きく変わり、現在の消費税は8%ですが、今後消費税がさらに上がるとその分費用が高くなるのです。
また、営業権は事業継承で売却する事業の「のれん代」とも呼ばれますが、これが高額の場合は消費税も負担が大きくなります。
薬局の事業継承を行う場合でも、株式譲渡を活用することで費用が安くなることもあるでしょう。
棚卸資産についても日々変動するものなので、M&Aが成立するまでは正確な額を出すことができません。
しかし、課税対象になっているもの資産であるため、棚卸資産の所有量によってはM&Aの費用も高くなる可能性があるでしょう。
4.株式譲渡の手法にかかる税金
株式譲渡は、会社をそのまますべて譲渡する手法であり、手続きは簡便なのが特徴です。
株式譲渡の手法で薬局を売却する場合、譲渡所得に税金が課税される仕組みとなっています。
法人か個人かによって費用として支払う税金が異なりますが、個人の場合は所得税と住民税が費用として必要になるでしょう。
また、法人の場合は会社に法人税がかかることになります。
ただ、薬局を売却する上では非常に簡単な手続きとなるため、株式譲渡による手法もよく選ばれています。
5.薬局の事業継承を考えているなら
薬局の事業継承でM&Aを検討している場合、仲介会社選びに迷う方が非常に多いです。
それは、満足のいく手続きを行うことはもちろん、上記で紹介した仲介手数料などの費用面も考慮しているからではないでしょうか?
M&Aの仲介会社は、売却したい方と買収したい方からの手数料で成り立っていますが、仲介手数料は会社によって大きく違ってきます。
アテックは薬局のM&Aを行っている仲介会社の1つですが、売却側のM&A仲介手数料がかかりません。
多くの費用がかかることを懸念して、M&Aに踏み切れない方もたくさんいらっしゃることでしょう。
しかし、アテックであれば、薬局の事業継承をしたい売却側の手取りができるだけ多くなるよう報酬規定なども公開しています。
売却側にとっても大きなメリットとなる仲介手数料無料は仲介会社を選ぶポイントになることでしょう。
また、薬局専門のM&Aに携わって26年もの実績があり、安心して任せることができるのも魅力ではないでしょうか?
今回は薬局の事業継承・M&Aにかかる費用についてご紹介してきました。
M&Aにかかる費用は、仲介手数料・税金などを含めると決して少ない額ではありません。
また、仲介会社によってかかってくる費用には違いがあり、それらを踏まえて検討することも大切なことだと言えるでしょう。
M&Aにおいて十分な実績があるか、手数料などの報酬規定はどのようになっているのかなど、事前にしっかりと理解して活用することが大切です。