日本のM&A市場と聞くと、IT企業や保険業界などに件数が集中しているイメージがありますが、近年は薬局のM&Aが増えています。
薬局M&Aが活発になっている背景は、売上と立地の関係性や経営の圧迫など理由は様々です。
事業の継承者がいない場合にも便利なM&Aですが、成功ポイントを押さえていないとハッピーリタイアは難しいでしょう。
薬局M&Aを検討されている方に向けて、成功ポイントをご紹介しましょう。
目次
薬局M&Aが進む背景と薬局の抱える問題
薬局の立地は売上や事業の成長に深く関わっており、昔から病院や福祉施設の周辺が好立地と言われています。
店舗を拡大する際、自前での新設よりも好立地な土地で既存の薬局を買収して経営した方が効率はいいという理由から、薬局M&Aの需要が増えているのです。
さらに、個人で薬局を経営している人々にもM&Aは求められています。
高齢化社会で調剤医療費は伸びていますが、国は医療費を押さえたいので、調剤報酬は引き下げられています。
それが小規模な個人経営の薬局にとって経営を圧迫させているのです。
また、薬学部が6年制に移行したことで薬剤師が不足しているため、個人経営の薬局では若手の薬剤師が確保できないことから、事業を売却する人も増えています。
他にも事業の継承者がいないことから、M&Aを選択する経営者も少なくありません。
薬局M&Aを成功させるためのポイント
薬局オーナーが薬局M&Aを考える時、成功させるためには3つのポイントを押さえましょう。
では、その3つのポイントとは何なのかご紹介します。
・薬局の強みと弱点を把握すること
薬局によって立地や薬剤師の数、顧客数など特徴が異なるので、まずは経営している薬局の強みと弱点を分析しましょう。
買い手は買収することで自社にどんな効果があるのか、という部分を意識しているので、M&Aを成功させるためには強みと弱みを理解し、アピールすることが大事です。
客観的な目線で薬局の強みと弱みを見て、買い手にとって魅力的なアピールポイントを見つけ出しましょう。
・経営の改善を行う
どんなに利益があっても経理や労務で不透明な部分があると、買い手側も不利益を被るのではないかと警戒して交渉が進みません。
ですので、経理が不透明であったり、労務トラブルがあったりする場合は、売却の前に改善することが望ましいです。
買い手は決して利益だけを見ているわけではないので、経営改善を行うことで安心感を得られ、前向きに交渉してもらいやすくなります。
・売却の適切なタイミングを見極める
薬局M&Aは通常、検討をはじめてから売却が成立するまで、3ヶ月から半年ほどの時間が求められます。
売却成立までの間は自分たちで経営しなければならないので、経営状態がピンチになってから検討しても遅いと言えるでしょう。
その場合は廃業を選択せざるを得なくなる可能性が高いので、売却は適切なタイミングを見計らって検討しなければなりません。
廃業を回避するためにも、早い段階でM&Aアドバイザーに相談すると安心です。
薬局M&Aの方法についてもしっかり検討する
一言に薬局M&Aといっても、3つの方法があります。
要望や経営状況に応じて適切な方法が異なるので、M&Aアドバイザーと相談し、適切な方法を選択することも成功への近道です。
・株式譲渡
薬局だけを経営している場合は、基本的に株式譲渡になります。
売り手の株式を買い手に売る方法で、経営権をはじめ資産・負債の全てが買い手に譲り渡す方法です。
ですので、売掛金や買掛金も全て引き継がれます。
・事業譲渡
事業譲渡は売り手が行っている一部の事業、もしくは全ての事業を買い手に譲る方法になります。
例えば、薬局業以外に別の事業も行っている場合、薬局業だけ譲渡して他に事業は売り手が継続して経営することが可能ですし、別の事業も含めて事業を売却することもできます。
ただ、この方法は買い手が譲り受けたいものだけを選択することも可能なので、負債などを譲り受けてもらえない場合があるので注意しましょう。
・薬局経営代行
薬局経営代行は厳密に言えばM&Aとは毛色が違いますが、近年増加傾向のある方法です。
この方法は薬品の在庫だけを買い手に譲り渡す方法で、店舗の内装設備や営業権はオーナーの所有となります。
薬品在庫を買い手に貸し出すことで賃料を得ることができ、実務は困難でも収入を得たい場合に適しているでしょう。
買い手が薬局M&Aを成功させるポイント
買い手にとって魅力的な案件であっても、売り手にも選ぶ権利はあるので譲渡する上で不利な条件だと交渉は進みません。
買い手側も薬局M&Aを成功させるために、ポイントをしっかり押さえておかなければならないのです。
両者とも明確な目的があってM&Aを行いますが、買い手の場合は価格だけではなく、柔軟な対応ができるかどうかが求められます。
売り手によって要望は異なり、会社を売却してリタイアしたいオーナーもいれば、経営に協力したいという姿勢を持つオーナーもおり、また自分は経営から降りるが指名する人物を役員に入れてほしいと考えるオーナーもいるでしょう。
買い手は売り手の要望に対してどこまで応えることが可能なのか、妥協点を考えることが成功のポイントになります。
薬局M&Aアドバイザーを選ぶポイント
薬局M&Aは経営をしながら交渉を続ける必要があるので、当事者同士だけだと売り手にとって不利な状況で交渉が進む可能性があります。
また、契約書や書類もたくさん作成する必要があるので、容易なことではないのです。
スムーズで売り手と買い手、どちらにもメリットがある薬局M&Aを実現させるためにも、M&Aアドバイザーによる第三者の目線が求められます。
M&Aアドバイザーにも様々あるので、薬局M&Aを成功させるアドバイザーの選び方をご紹介しましょう。
・薬局案件に特化したM&Aアドバイザーを選ぶ
M&Aは様々な分野で行われており、案件の規模も大企業の大型案件から、個人経営の小規模な案件もあります。
ただ、薬局の場合は通常のM&Aよりも特殊なので、薬局M&Aを専門にしているM&Aアドバイザーを選びましょう。
・迅速な対応ができるM&Aアドバイザー
経営を続けながらのM&Aは負担が大きく、交渉が長引くほど負担は増します。
問い合わせたことへの返事が遅い、打ち合わせの準備ができていないM&Aアドバイザーだと不安を抱えながらの交渉となるでしょう。
質問や疑問に対してすぐに解決し、次の段階まで見据えて話をしてくれるM&Aアドバイザーを選ぶようにしてください。
・ネットワークが広いM&Aアドバイザー
理想的なマッチングを実現するためには、売り手も買い手もネットワークが広いM&Aアドバイザーを選ぶことが大切です。
売り手も買い手も希望は様々なので、案件を多く持つM&Aアドバイザーなら希望に応えられる案件や買収先を紹介してもらえます。
薬局M&Aを成功させるならアテックで
薬局M&Aアドバイザー探しでお悩みの方は、薬局専門でM&Aの支援を行っているアテックがおすすめです。
スタッフの中には薬剤師や薬局経営者が在籍しているので、専門的な知識から迅速な問題解決と、将来を見据えた戦略アドバイスで、オーナーの要望に応えることができます。
継承者候補は大手チェーンから中堅チェーン、独立志望の薬剤師など様々登録しており、ネットワークが広いので最適な買収先を見つけることが可能です。
また、気軽に売り手と買い手のマッチングができるファーママーケットというサイトも運営しており、そちらから案件や買収先を見つけることもできます。
成功実績が多いので、事業売却を検討されている方はアテックやファーママーケットで薬局M&Aを成功させましょう。