近年、様々な職業で「人材不足」という言葉を目にするようになってきました。
調剤薬局もその中の一つとなっています。
しかも、調剤薬局の場合働いている薬剤師の数だけではなく、調剤薬局の後継者も減ってきているため、なかなか引退できないというオーナーも増えてきているのです。
そこで今回は、調剤薬局の後継者探しをするために、どんな方法を取れば良いのかご紹介していきます。
調剤薬局で後継者が不足している理由
まずは調剤薬局でなぜ後継者が不足している状態なのか、その理由について考えてみましょう。
そもそも後継者が不足している理由として、薬剤師自体が不足しているという点が挙げられます。
薬剤師というのは大学の薬学部を卒業し、国家試験に合格することで薬剤師として働くことができます。
しかし、現在薬学部は6年制となり、資格を取得するハードルが上がっているのです。
最近では少子化が進み新たな人材が入りにくい状態となってきています。
これに加えて近年は調剤薬局が併設されているドラッグストアが増えており、昔から営んでいた町の調剤薬局だけではなく、薬剤師が働く場所の選択肢も増えているのです。
こうしたことが重なり、薬剤師自体の数が不足していると言えます。
もう一つの点として、適した後継者が現れないということが挙げられます。
これまで調剤薬局のオーナーが引退し、後継者に引き継がせるというと、多くの場合はオーナーの子ども、もしくは親族を後継者に設定し引退するという形式が多くとられていました。
しかし、近年では親族への事業承継も少なくなってきています。
なぜかというと、親心として子どもには自分の好きな道を歩んでほしいと考えていることや、子どもは後継者に前向きであっても経営能力がないことなどが見られるためです。
そのため、現在の従業員の中で良さそうな人材を見つけ、その人に事業承継を検討される方もいらっしゃいますが、いくら従業員であってもオーナーになることを断る人も多くいらっしゃいます。
これは、従業員からオーナーに移行する際に中小規模の調剤薬局の場合はその調剤薬局の株を購入する必要があるため、莫大なコストもかかってしまうことで起きてしまいます。
調剤薬局の後継者探し、どんな方法がある?
では、具体的に調剤薬局の後継者を探すにはどのような方法があるのでしょうか?
後継者探しには主に3つの方法があります。
・親族に対し事業承継を行う
まず、親族への事業承継が1つの方法となります。
後継者探しは人材を探すことに加え、育成も兼ねて行わなくてはならないため、とても時間と手間がかかってしまいます。
しかし、親族への事業承継であれば引退までの時間が少なくてもある程度対応は可能です。
また、現在のオーナーが築き上げた取引先など、関係者からの理解やサポートが受けられやすいというのも親族が事業承継を行うメリットになると言えます。
ただし、先程も紹介したように後継者自身は前向きに捉えていても経営者としての能力がない場合もあることや、親族が事業承継に対してあまり前向きではない場合、さらに後継者以外の親族と株などの遺産問題が生じてしまう可能性があることなど、デメリットも挙げられるので注意が必要です。
・現在薬局で働いている従業員に事業承継を行う
長く働いてくれている従業員に対し、事業承継を行うことも可能です。
この場合も親族への事業承継と同様に、人材を探さなくても良いのですぐに事業承継のための準備に取り掛かることができます。
また、長年働いてくれているということもあってその薬局の細かい事情などはわざわざ話さなくても理解してくれている部分は大きなメリットと言えます。
一から十まで全てを説明するよりも、大体内情が把握できている人であれば薬局経営に関することを中心に説明していけば十分です。
ただし、この時に「きっと分かるだろう」とあまりにも放置しすぎてしまうと、事業承継が失敗してしまう可能性もあるので、丁寧に教えていく必要があります。
さらに長年働いてくれているということもあって、事業承継の際に交渉・確認事項などをしっかりと確認しなかったというケースが見られます。
これによってオーナー側も後継者側も失敗してしまう可能性があるので、なるべく仲介を入れて事業承継を進めるようにしましょう。
・幹部候補を早めに採用し、育成する
親族や働いてくれている薬剤師の中に後継者として相応しい人物がいなかった時は、幹部候補となる人材を早めに採用し、育成する必要があります。
外から採用することになるので、育成するための時間は必要となってしまいますが、その分幹部候補、次期オーナーとして相応しい人物を採用することも可能です。
また、この場合幹部候補として応募している人は経営者としてのやる気も覗かせているため、事業承継しやすく承継後も薬局の発展に期待できるということが挙げられます。
この場合のデメリットとしては、第三者がオーナーになるので取引先などの関係者から理解を得にくいという点です。
近年は比較的薬局の後継者不足問題が噂になっているため、理解されることも多いのですが、また一から信頼関係を築いていかなくてはならないため、負担も大きくなってしまいます。
できるだけ負担を掛けないよう、オーナーは取引先への対応もサポートしてあげるべきでしょう。
また、薬局内で次期オーナーを期待していたにも関わらず、幹部候補が採用されたとなると、その幹部候補と薬局で働いている人との関係性が難しいものになってしまう可能性があります。
幹部候補を応募する際には、親族や薬局に勤めている人にきちんと説明してから後継者探しを始めるようにしましょう。
・薬局M&Aを利用する
個人の後継者も見つからないということになったら、閉局を考える前に薬局M&Aも候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
薬局M&Aの場合、譲渡するのは個人ではなく企業なので経営の安定が見込めること、さらに会社売却の利益を得られるということがメリットとして挙げられます。
しかも、薬局M&Aは近年増加傾向にあり、多くの企業で行われています。
特に最近では中小規模のメーカーが大手メーカーに負けず全国展開を行っていこうと、薬局M&Aに対してかなり積極的です。
そのため、場合によっては売却価格が相場よりも大きくなる可能性もあり得ると言えます。
薬局M&Aとなると希望の条件を満たしてくれるような売却先を見つけることが難しかったり、経営面で一体性を持つことが難しかったりもします。
不安な場合は薬局M&Aのサポートを行う企業に相談すると良いでしょう。
後継者探し・薬局M&Aを実施したい方はアテックへご相談を!
後継者探しに悩んでいる、薬局M&Aを行いたいが不安も大きいなど、心配事を抱えている調剤薬局オーナーもいらっしゃるかと思います。
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アテックは、1991年に創業してから27年間調剤薬局オーナーに寄り添い、後継者探しや薬局M&Aのサポートを行ってきました。
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様々な選択肢を増やすことで、一つひとつの調剤薬局に合った後継者探しが行えるのです。
アテックの場合、譲渡する際の仲介料は無料となっているので、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。