失敗しない調剤薬局の選び方とは?

調剤薬局の新規開設はコストや手間がかかり、特に独立を目指す薬剤師の場合は困難なことが多いでしょう。

コストやリスクを抑えて店舗や事業拡大、薬局開業をスムーズに行うために、薬局M&Aを活用する企業や薬剤師が増えています。

薬局M&Aを行うにあたり、誰でも調剤薬局選びに失敗したくないというのが本音でしょう。

今回は薬局M&Aで失敗しない調剤薬局の選び方についてご紹介していきます。

薬局M&Aで押さえておきたいおきたい調剤薬局の条件

調剤薬局を購入するにあたり条件は人それぞれ異なりますが、薬局M&Aを成功させるためにはどんな条件に注目すれば良いのでしょうか?

薬局M&Aで押さえておきたい条件を見ていきましょう。

・薬局の立地

調剤薬局が開業したい地域にあるかどうかが重要です。

オーナーによっては自宅と勤務地が近いことを条件にすることもあるので、通勤しやすいかどうかが考える必要があります。

また、安定した売上を確保できる地域かどうかも考えて、適切な立地か条件を決めていきましょう。

・処方せん枚数

処方せん枚数は売上規模を示すので、できれば多い方が良いと考える人は多いでしょう。

しかし、一人薬剤師体制の場合は過度な処方せん枚数となると、一人では手が回らなくなるので無駄な労務費を生むことになり、損益につながることもあります。

一包化作業や住宅対応などの時間に手を取られることも配慮し、体制に合わせて効率良く回せる処方せん枚数を選ぶようにしてください。

・従業員数や雇用

従業員の数は業務効率に大きく関わるので、どのくらいの人材がいるのか、場合によっては採用が必要なのかしっかり検討しておくポイントです。

従業員の雇用は余計な労務費が発生するだけではなく、多忙な環境下のせいで人間関係が悪くなり、さらに定着しないといった問題も起きるでしょう。

円滑な作業を実現して精神的な負担を軽減するためにも1人〜1.5人体制を目安に従業員の雇用を考えてください。

・譲受金額

改定増税により薬局M&Aの相場は下がっているものの、1日の処方せん枚数が50枚から60枚ぐらいだと中堅チェーン薬局がやや高い評価額を提示することも少なくありません。

個人の場合、中堅企業と同じレベル以上の資金を出すことじゃ、困難な上にリスクの高い取引となります。

なので、自分の手が届く範囲で購入価格を検討することが大事です。

目安は営業権が0円から1,000万円、商品在庫が200万円から1,000万円、固定資産が0円から500万円、店舗保証金が0円から300万円で、別途にリース物件や消費税、手数料などの諸経費が発生します。

トータルに考えると1,500万円から2,500万円ぐらいが平均相場となるでしょう。

本当に譲り受けてもいいのか判断するには?

希望条件に合った調剤薬局が見つかっても、本当に譲り受けていいのか悩む方は少なくないでしょう。

譲り受けるかどうか判断するポイントをご紹介します。

・何年で資金を回収できるか

調剤薬局を買った後、何年経営すれば投資した分の資金の回収できるのか考えてみましょう。

長期的な回収が見込まれるとなると経営継続どころか、今度はこちらが廃業やM&Aを検討しなければなりません。

経費は様々な使い道があるので想像よりも回収が遅くなることもあるでしょう。

できるだけ早く回収できる金額であるか確認してください。

・技術料

調剤医療費は薬剤費と技術料で成り立っており、技術料は調剤薬局の利益に大きく関わる費用と言えます。

総合病院前の調剤薬局となれば、売上対比の技術料が15%になることも多いでしょう。

また、報酬改定で加算体制の調整などがあれば、そこでも技術料は変わってきます。

・処方元の医師

薬の調剤元の医師がどんな人か判断することも大切です。

医師が高齢の場合、後継者がいないといつまで病院経営が継続されるか不透明な場合があり、廃業すれば投資回収が難しくなります。

医師の年齢や後継者がいるかどうか、また良好な関係を築くためにも人間性や嗜好、疑似リベート、移転の可能性などを確認するようにしましょう。

薬局M&Aで注意するべきポイント

薬局M&Aを成功させるためには、他にも様々な注意点があります。

確認しておきたいポイントや薬局M&Aを行うにあたり行っておきたいことをご紹介しましょう。

・貸主や賃貸借契約の確認

薬局店舗を賃貸する場合は物件の家主と賃貸借契約の締結が必要です。

家賃は地域の相場や周辺環境、収益などから妥当性を判断することになります。

調剤薬局を譲り受ける前に家賃が高額な場合、事業継承をした後も同額の設定になる可能性があるので、検討する段階で妥当かどうか見極め、必要に応じて家賃の事前交渉が求められるでしょう。

他にも事業用借地権であれば賃借期限や保証金の償却などもしっかり確認してください。

・固定資産やリース契約の確認

譲り受けとなる固定資産の対象は色々ありますが、建物や土地、什器備品などがあり、時価換算された上で適切な価格かどうか確認しましょう。

正常な減価償却がされているかどうか、個人で判断が難しい場合は前もって専門家に確認してもらうと安心です。

分包機やレセコンなどリース契約しているものは第三者に譲り受けできない場合も多いので、リース契約についても確認が必要でしょう。

・店舗内覧や周辺環境の確認

調剤薬局のM&Aを行う際は、理想と現実のギャップに食い違いがないように、購入候補の店舗内覧や周辺環境の確認も大切です。

例えば、店舗内や周辺環境を見て落ち着いて働ける雰囲気であるのか、薬歴記載の漏れがないか、機器は買い替えが必要かどうか、体制加算がしっかり取れる環境であるか、近隣の薬局と連携できるかなど内覧しないと変わらないことは多いでしょう。

条件だけに意識を向け過ぎず、店舗内や周辺環境にも目を向けてみてください。

・従業員の継承

薬局M&Aのメリットはすでにリピーターがついているので安定した利益に期待できることですが、知らない従業員ばかりに変わっていると利用者は困惑してしまいます。

また、処方元の医師との付き合いが長い薬局なら、従業員を一新させたことに悪い印象を与える可能性もあるので注意が必要です。

従業員の意思にもよりますが基本的に薬局M&Aでは従業員も継承され、交渉によってはパート薬剤師も継承は可能なので、共に働ける人材かどうか判断した上で従業員の継承も検討しましょう。

・譲渡契約書の確認

調剤薬局の譲渡を確定させるためには譲渡契約書の締結が必要です。

記載条項には専門的な内容が続くため、重要事項が漏れることや直接交渉の場合は買い手に不利な条項がつくことも少なくありません。

両者ともに公平や契約書を作成する場合は専門家のサポートがあると安心です。

・処方元医師へ挨拶をする

安定した調剤薬局を経営していく上で、顧客だけではなく処方元の医師との関係性も重要になってきます。

事業継承が決まったら元薬局オーナーが同席した上で、処方元の医師に挨拶に行きましょう。

また、元薬局オーナーに医師との付き合い方をレクチャーしてもらうなど、円滑に継承できるように工夫が求められます。

他にも説明方法や告知のタイミングにも配慮が必要です。

調剤薬局のM&Aを成功させるには希望条件に合った案件を選ぶだけではなく、それ以外にも色々注目したいポイントがあります。

薬局M&Aは正しい知識がないとトラブルが起きたり、買収で損をしたりすることも少なくありません。

アテックは薬局専門のM&A支援を長年務めており、専門知識を持つコンサルタントが案件のマッチングから売り手との交渉、譲渡契約書の作成とスムーズにM&Aを実行してくれます。

自分で案件を探したい場合はファーママーケットというマッチングサイトも運営しているので、そこで条件に合った案件を見つけることが可能です。

薬局選びに失敗されたくない方やトラブルなくM&Aを成功させたい方は、まずはアテックへ気軽に相談しましょう。

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