薬局のM&A・事業継承が増えている理由とは?

調剤薬局業界では、現在多くの薬局でM&Aや事業継承が行われています。

M&Aや事業継承に関しては他の業界においても行われているものなのですが、なぜ調剤薬局業界では増加しているのでしょうか?

今回は、薬局のM&A・事業継承がなぜ増えているのか、その理由について解説していきます。

調剤薬局業界でM&A・事業継承が増えている理由

他の業界でも行われているM&A・事業継承が、なぜ調剤薬局業界で大きく増加しているのかというと、一つの理由だけではなく様々な理由によって増加傾向にあると考えられます。

まず1つ目の理由として、創業者が世代交代の時期を迎えているという点です。

そもそも、街の調剤薬局は最初からあったものではなく1980年代から徐々に増え始めていたものとなります。

以前までは薬をもらうには病院やクリニックの中に併設されている薬局で処方せんを受け付けていたものの、1980年代から「医薬分業」が推奨されるようになり、治療は病院・処方せん受付は薬局という形に分業されるようになりました。

そのため、近くに病院やクリニックがない場所にもどんどん調剤薬局が建てられていったのです。

当時30代だった調剤薬局の創業者も、今では60代という方が多くなってきています。

60代は引退を考えるタイミングでもあるため、M&Aや事業継承を検討するオーナーが増えてきていると言えます。

2つ目の理由として、薬価改定が挙げられます。

薬価改定によって医薬品の価格を下げ、医療費の割合を減らすためのものであり、2〜3年に1度行われているのですが、現在薬価改定のペースが頻繁になってきています。

薬価改定が行われるたびに医薬品の価格が下がってしまうため、その分薬局側は利益を出しにくい状況になってしまっているのです。

2022年以降になるとこれまで2〜3年に1度のペースで行われていたものが1年に1度のペース、もしくは1年に何回か改定される予定となっています。

つまり、これまで以上に早いペースで医薬品の価格が下がってしまうと経営が困難な状態に陥ってしまうことも考えられるのです。

将来的な部分を危惧し、今のうちに薬局自体を売ってしまう、もしくは事業継承によって自分は経営から引退することによって経営者の不利益を被らないようにしています。

3つ目の理由として、調剤薬局のほとんどが中小企業であるという点です。

調剤薬局では平均で約2店舗を運営しているというところが多く、さらに中小企業の中には個人経営の調剤薬局も含まれており、1店舗経営というところも少なくありません。

こうした調剤薬局は事業継承ももちろんですが、どちらかというとM&Aを希望するケースが多く見られます。

企業側にとっても新しいエリアへ展開していくにはマーケティング調査を一から行う必要がありますが、M&Aであればマーケティング調査にかかる費用を抑えたり、現在の顧客を確保することもできるため、M&Aのメリットが大きいのです。

それぞれメリットが多いため、薬局のM&Aは増加しています。

事業継承の難しさ

薬局のM&Aや事業継承が増えている理由についてご紹介していきましたが、実は事業継承に至っては希望しているもののなかなかうまくいかないケースもあるようです。

なぜ、事業継承でうまくいかないケースが見られているのでしょうか?

事業継承でうまくいかないケースが見られるのは、事業を引き継いでくれる後継者がいないという点が挙げられます。

事業継承では後継者となる人物が必要です。

後継者となる人物は、例えば自分の子どもや身内、現在働いているスタッフの中から選ぶことも多いでしょう。

しかし、いくら薬剤師として優秀な人材であっても経営は全く別物となるのでしっかりと経営の舵を握ることができる人物でなくてはいけません。

親族内での継承や従業員への継承は、こういった部分で適切な人材が見つからず、断念してしまうケースが多いようです。

また、個人経営の薬局ではオーナーが経営を携わっているという場合がほとんどかと思います。

この場合、親族内に株を移動させることは比較的簡単なのですが、もし薬局のスタッフに経営権を譲る場合は株を買い取ってもらわないといけないため、従業員にとっても大きなコストが生じてしまいます。

良い人材がいたとしても断られてしまうことがあるのです。

「それなら第三者の後継者を探せば良い」と考えられますが、自力で第三者の後継者を見つけるのは非常に大変です。

求人広告を出すにもコストが掛かりますし、一人ひとりを面接して、どの人材にするか決まったら一から薬局のことや経営に関することを教えていく必要があります。

しかし、途中でその後継者が辞めてしまったりすることも考えられるので、かなりの時間と手間を要するものだと考えておかなくてはなりません。

このようなことから薬局の事業継承は難しい部分も多いということが分かります。

薬局M&Aを検討してみよう

事業継承が難しいとなると、薬局M&Aについて考える必要があると言えます。

しかし、事業継承よりも薬局M&Aに対してはあまり良いイメージを持っていないという方も多いのではないでしょうか?

例えば、薬局M&Aに関するイメージとして、「企業が個人経営の薬局を買収することにより、これまでのスタンスをガラッと変えられてしまうのではないか」、「企業が提示した金額に納得するしかない状況に追い込まれてしまうのではないか」と不安に感じる経営者も多いかと思います。

では、実際に薬局M&Aはそのようなイメージ通りなのでしょうか?

確かにM&Aは企業の売買を意味しているため、事業形態が大きく変わってしまうのではないかというイメージを持たれてしまうのも仕方ありません。

しかし、実際にM&Aを実施する時は話し合いの中で経営者がどのような事業運営を行っていってほしいのか希望を伝え、その希望に企業側が応じられるか応じられないかの折り合いを付けていく時間が設けられます。

一方的に企業側が決めた通りになるのではなく、しっかりと話し合った結果、納得した内容で薬局M&Aを実施できるのです。

企業との話し合いが不安な方も、アテックで安心

薬局M&Aを実施する際に、相手企業との話し合いで一方的に話を進められたら困るが、財務や経理などの専門的な部分に関しての話し合いに不安を感じているという経営者の方もいらっしゃるでしょう。

もし、企業との話し合いに対して不安だ、もしくは薬局M&Aを実施する相手企業で悪質なところを選びたくないという方は、アテックに相談してみましょう。

アテックはこれまで多くの薬局M&A・事業継承を成功させてきた仲介業者です。

20年以上前から薬局に特化したM&A・事業継承のサポートを行っており、スタッフにも薬剤師が在籍しているため財務・経理に関する知識だけではなく、きちんと薬局経営に関する知識や薬剤師・薬局の現状をしり尽くしています。

一般的なM&Aコンサルティング企業の場合、薬局に特化していないため、薬局側が考慮したい部分が抜けてしまうことも多いのですが、アテックであればそのような心配も不要です。

また、アテックでは事業継承もサポートできるようマッチングサイト「ファーママーケット」の運営も行っています。

やはりM&Aではなく事業継承を行いたいという方も、マッチングサイトで薬局経営を考えている薬剤師を見つけることができ、直接交渉を進めていくことも可能です。

薬局M&Aや事業継承を検討されている方にとって有益なサービスと言えるでしょう。

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