調剤薬局において、事業継承を考える経営者が増加してきたことによって、薬局M&Aが今注目され、実際に利用する方も増えてきています。
その背景には、調剤薬局業界の環境の変化が大きな要因になっていることが分かっています。
それは、経営者自身の高齢化による引退・薬剤師不足など様々ありますが、ここではそんな薬局M&Aや事業継承の実態をとりまく環境の変化について見ていきましょう。
現在の調剤薬局数の現状
全国の調剤薬局数は、現在約58,000店あると言われており、コンビニエンスストアよりも多く小規模店舗が非常に多いのが特徴となっています。
そんな中で、トップ企業とも言える大手調剤薬局チェーンや大手ドラッグストアのシェアはたった2.8%となっており、それ以外は個人薬局という構成になっているのです。
また、政府による医療費削減の方針が続くことが分かっているため、薬価引き下げや調剤報酬下落に伴ってさらに利益が縮小される可能性も高いです。
調剤報酬は2年に1度膨張する医療費抑制のために引き下げられる傾向にあるほか、消費増税やジェネリック医薬品の後発品による在庫圧迫になどによって経営環境が厳しくなっています。
さらに、医薬品卸やドラッグストアなどの隣接業種の調剤事業強化に伴い、以前は売手市場と言われていた調剤薬局業界は、生き残りをかけた競争が加速しているのです。
調剤薬局をとりまく環境が徐々に変わっていく中で、個人薬局をはじめ、中小規模の薬局は業務の効率化や利益を上げる工夫が必要不可欠です。
しかし、今後医療機関の基準病床数見直しが実施されれば、外来患者の流れも変わり、門前薬局のあり方そのものも見直していかなければならないでしょう。
調剤薬局業界の環境に伴って、現在は調剤薬局数の数が徐々に減ってきているのです。
超高齢化時代の突入と薬剤師不足
そもそも調剤薬局業界は、平成9年、厚生労働省が医薬完全分業を支持したことで目まぐるしいスピードで成長しました。
これに伴って処方箋枚数や調剤点数も格段に増加しています。
しかし、2050年には2012年と比べると総人口が3044万人に減少することが分かっていると同時に、75歳以上の人口は866万人に増加することがわかっており、超高齢化時代に突入していきます。
高齢化が深刻化していることで、調剤薬局業界でも、中小規模の薬局経営者などでは団塊世代の引退が増加しているという実態があるのです。
その一方で、薬剤師の慢性的な不足も問題になっています。
薬剤師は、これまでは4年制の薬学部を卒業すれば国家試験受験が可能でした。
しかし、現在は6年制となっているため、薬剤師が不足する原因の1つとなっています。
また、6年制になったことで薬学部に志願する受験生も減少傾向にあり、慢性的な薬剤師不足が懸念されているのです。
このような背景があることによって、調剤薬局経営者が高齢で引退したくても、後継者がいないことで引退できないという悪循環となっているのです。
特に、地方や中小規模の調剤薬局においては、薬剤師の採用自体が困難で、事業継承を考えていても進まないというのも実態です。
薬局M&Aで満足のいく事業継承を
調剤薬局の経営環境が大きく変わり、さらに高齢化や薬剤師不足などによって、今後は調剤薬局業界が厳しい状況になっていくことが予想されます。
上記の理由から、薬局M&Aや事業継承を考える経営者が多いですが、さらに団塊世代の引退傾向が強まれば、今後は売り手と買い手による数に大きな差が出て売り手側の供給過多になるのではないかと言われています。
売り手側の供給過多が続けば、買い手側の選択肢が増えるため、必然的に譲渡価格の低下が問題になってくるのではないかと考える方もいるのではないでしょうか?
しかし、現在の段階では、調剤薬局を譲受したいという買い手側も増えています。
その理由は、厳しい調剤薬局業界を勝ち抜いていくためには、一から開業するよりも、医療機関や患者さんと密な関係を築いている店舗で経営した方がメリットが大きいからです。
厳しい環境の中で、利益を上げながら調剤薬局の経営を続けていくことは簡単なことではありません。
しかし、信頼性の高い調剤薬局であれば、処方箋枚数や取引先との関係もすでに確保されています。
このように、調剤薬局の事業継承を考えている売り手と同様に、買い手も増えているという現状があるのです。
しかし、満足のいく事業継承をする際には、自分が経営してきた調剤薬局はこれからも成長してほしいと考えるものです。
そのためには、譲渡価格だけに目を向けるのではなく、買い手をきちんと交渉することで、運営方針や従業員の雇用も踏まえて良い形で引き継ぐことができるでしょう。
次期経営者となる買い手の人柄や考え方も確認し、満足のいく事業継承を行うために、薬局M&Aは非常に役立ちます。
薬局M&Aを利用すれば、事業継承したい経営者である売り手と買い手を的確にマッチングし、お互いの条件に合う相手を見つけ、スムーズに進めていくことができます。
しかし、薬局M&Aの仲介会社には仲介手数料を多く請求されたり、マッチングが不十分でこれまでと全く違う薬局にされてしまう可能性のあるところもあるため、注意が必要です。
実際に薬局M&Aを考える場合は、仲介会社は慎重に選部必要があるでしょう。
たとえすでに買い手が見つかっている場合でも、直接交渉は避けなければなりません。
薬局M&A成立後に破談になってしまったり、損害賠償という事態になってしまわないようにするためにも、仲介会社を上手に利用していくことが大切です。
薬局M&Aを進める際に利用したい仲介会社は?
では、調剤薬局の経営者は薬局M&Aをする際にどんな仲介会社を利用するのが良いのでしょうか?
仲介会社に悩んでいるのであれば、薬局経営総合支援のアテックがおすすめです。
アテックは薬局M&Aに特化した仲介会社として、日本で初めて設立した会社です。
薬局M&Aでは公正かつ中立な立場に立ち、売り手となる経営者の理想を最大限に実現すべくサポートしてくれます。
売り手の思いを重視して取り組んでくれるため、これまでの全く違う薬局にされてしまうといった可能性も非常に低いです。
また、仲介手数料も無料となっているほか、そのほかの報酬規程についてもしっかりと記載されており安心して利用することができるというのも特徴です。
事業継承する際には、譲渡価格を気にされている経営者もたくさんいることでしょう。
アテックでは、調剤薬局の経営者である売り手の手取りができるだけ多くなるように努めてくれます。
調剤薬局業界は、競争激化によって厳しい状況になっています。
しかし、アテックでは売上高1億円以下という小規模の調剤薬局でも仲介してくれるため、中小規模、個人薬局関係なく気軽に相談することができるでしょう。
1991年に創業して以降、長年調剤薬局に専門家して取り組んできたからこそ、アテックは薬局M&Aに関わる実績も多いです。
また、薬局市場ファーママーケットの運営もしており、売り手と買い手をマッチングするためのサイトを立ち上げています。
アテックの様々なサービスを利用して、満足のいく薬局M&Aを進めてみてはいかがでしょうか?
今回は、調剤薬局業界がとりまく環境の厳しい状況と、薬局M&Aで満足のいく事業継承を進めるために必要なことなどを紹介してきました。
今後も、調剤薬局業界は競争の激化が進み、引退を考えても引退できない時代になっていくことでしょう。
そんなときは、的確に売り手を買い手をマッチングしてくれる薬局M&Aの仲介会社アテックや、ファーママーケットを利用してみてはいかがでしょうか?