調剤薬局経営には、マーケティングを重視した経営が必要だと言われています。
近年、薬局を承継したいという薬剤師がいる一方で、人材不足が懸念され経営が思うようにいかず倒産を余儀なくされるケースは少なくありません。
今回は、事業承継や独立して経営するために重要なマーケティングについて解説していきましょう。
そもそもマーケティングって?
マーケティングというのは、商品を販売したり宣伝したりと、商品が売れる仕組みを構築することです。
調剤薬局においてマーケティングは、患者を多く集めてより多くの方に調剤するというものです。
マーケティングは患者に価値の高いサービスを提供していくまでの流れであり、それに伴うプロセスは多岐に渡ります。
また、調剤薬局経営においては、経営のあり方を患者視点・患者が望むものを起点に計画していく必要があります。
そのためには、まず患者が調剤薬局に対して何を望んでいるのか、不満な点はどのようなものなのかを理解する必要があるでしょう
。患者に対するアンケート調査グループインタビューなどから患者の要望を把握し、できるだけ応えられるようにする姿勢を大切にしましょう。
ただ処方箋や診療報酬における収益を維持するのではなく、調剤前後のサービスから患者への働きかけが求められるのです。
患者の要望や不満を把握したら、それらを踏まえて他の調剤薬局との差別化を図りましょう。
大きな病院の近くには、複数の薬局が並んでいるのを目にした方もいるのではないでしょうか?
複数の薬局がある場合、病院を受診して処方箋を受け取った患者はどの薬局へ足を運ぶか考えてみましょう。
患者は、取り扱っている薬品だけでなくきめ細やかなサービス・スピードなど、何らかの強みを見出せた薬局に行く傾向があります。
市場調査する際には、こうした患者の傾向を見るのも大きなポイントになります。
病院前の薬局に来た患者に、「なぜこの薬局を選んだのか」を率直に聞いてみるのも方法の1つです。
お店が綺麗・駐車場の近く・薬剤師が親切で丁寧・ジェネリック医薬品が良など、様々な回答が得られるでしょう。
市場調査を綿密に行い、患者が調剤薬局に求めているものを理解し、他の薬局と差別化を図っていきましょう
。今後の医療提供体制について考えよう
調剤薬局では、患者への調剤や服薬指導のみならず、健康相談に対応している所も多いです
。医師以外の誰かに、しかも薬剤師という専門家に健康相談ができるというのは患者にとって大きな心の拠り所になります。
現時点では、社会に調剤薬局以外でそういった機能や役割がほとんどありません。
日本では、2025年までに地域包括ケアシステムを構築していく方針が明らかになっています。
しかし、地域包括ケアシステムを作っていくには高齢化問題は避けて通れません。
地域包括ケアシステムの中核となるのは、在宅医療です。
在宅医療は、患者の高齢化に伴って推進されていますが、医師の中には1日中車に乗って地域の住宅を周っているという方もいます。
今後病院から在宅医療が進めば、医療提供の効率が悪くなる可能性が高いのです。
ただ、在宅での薬物医療はどうでしょうか?
薬剤師が持つ専門的な知識や薬局としての機能を活かしたサービスを提供すれば、安定した医療を継続していくための大きな役割を担っていけるでしょう。
気軽に足を運べる健康管理のための施設としての役割を持っていけば、患者だけでなく幅広い顧客との接点を作れます。
例えば、調剤や服薬指導・健康相談はもちろん、サプリメント販売やスポーツクラブを併設するのも戦略の1つです。
幅広い顧客を確保できると、その後に医療の側面が関わってくれば薬剤師による専門的なカウンセリングが可能になります。
このように、従来の調剤薬局としてのあり方を重視するのではなく、時代の流れやニーズに合う薬局を作り上げていけるよう努力する必要があるのです。
時代のニーズに沿ったサービスも有効
では、患者から選ばれる調剤薬局にしていくには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
最近の事例を基に解説していきましょう。
・お薬手帳の電子化
スマホやタブレットが急速に普及した点に着目し、ある薬局ではお薬手帳を電子化し、健康管理や処方箋送信を可能にしています。
従来のお薬手帳を持ち運ばずに、スマホのアプリを通じて管理できます。
2016年には電子お薬手帳に診療報酬が設けられたため導入しやすくなっている他、何より患者の利便性を考えたシステムと言えるでしょう。
・服薬支援アプリ
服薬支援アプリでは、薬局のかかりつけ機能を取り入れているため、患者への継続的な支援が可能です。
アプリを通じて薬剤師とのコミュニケーションが取れるので、食事療法や服薬における疑問や不安なども解消できます。
また、生活習慣病予備軍であっても、重症化しないうちに気付き対処できるなどの利点もあります。
このように、スマホやタブレット端末が普及したからこそ、アプリを活用したサービス拡充は重要な役割を担っていくでしょう。
調剤薬局では、処方箋や服薬指導のデータが手元にあっても、実際の検査結果や疾患などは把握しきれません。
しかし、電子処方箋の規制が緩和され、処方内容がデータで共有可能になるなど、医療体制には変化が起きているのです。
調剤薬局のお薬手帳や服薬管理でも、アプリを活用した新たなサービスを構築していけば、他の薬局との差別化を図れるのではないでしょうか?
患者から選ばれる調剤薬局にしていくためにアテックを利用しよう
調剤薬局におけるマーケティングは、患者視点を持つことです。
そのためには、自社のサービスを必要とする潜在顧客数を把握し、どれくらいの処方箋枚数が期待できるのか理解しなければなりません。
どんなに良いサービスでも、地域の処方箋枚数を超えるのは困難です。
今後、薬剤師が事業承継・開業する際には、地域の人口や処方箋枚数を踏まえ、顧客数に改善余地がないか判断する必要があります。
そして、患者のニーズに対応するサービスで差別化を図り、服薬指導やフォローなどで来局回数を増やしていけるよう考慮しなければなりません。
調剤薬局は、医薬分業の影響で店舗数がコンビニエンスストア以上に多く、新たに開業するには様々なリスクが伴います。
そのため近年では、経営していた調剤薬局を承継する薬局M&Aが注目されています。
アテックは、そんな調剤薬局M&A専門とする仲介会社です。
事業承継において重要な点や、承継後のマーケティングについても相談に乗ってくれます。
譲受側の仲介料は業界最安値を誇り、納得のいく形で引き継げるのが特徴です。
事業承継であれば、これまでオーナーが築き上げてきた薬局をそのまま引き継げます。
地域の人口や処方箋枚数も維持しつつ、新しいサービスを提供できるのも魅力でしょう。
また、ファーママーケットは譲渡希望のオーナーと譲受希望の薬剤師のマッチングサイトです。
アテックが運営しており、独立を希望している薬剤師も掲載希望が出せます。
条件にマッチした案件が見つかれば、独立までスムーズに進められるでしょう。
薬剤師が事業承継・開業する際には、マーケティング戦略はその後の経営を左右する非常に重要なものです。
独立には、今後の医療提供体制や時代のニーズに沿って、患者に選んでもらえるような薬局を築いていく必要があります。
まずはそうしたマーケティングを踏まえ、アテックやファーママーケットを利用して薬局経営をしてみてはいかがでしょうか?
アテックは、調剤薬局のM&Aを専門としています。
薬局M&Aで良い形で事業承継していくためにも、アテックの利用を検討してみましょう。