所得税に贈与税…。おどろくほどの支払いが。
税金の特徴は「何かアクションを起こすごとに課税される」ということです。手順や回数を考えないと、気がついたら、びっくりするほどの税金がかかることもあります。
都内で調剤薬局を営んでいたBさんは、まさに、そんなケースです。Bさんには娘二人と息子一人がおり、兄弟三人に平等に財産を渡したいと考えていました。平等に分ける最適な手段は現金です。1円単位で分けられますからね。
そこで、Bさんは店舗を売却して現金化して分けることにしたのです。Bさんの自宅や車など、いくつかの個人資産が会社名義になっていたので、店舗は事業譲渡によって手放すことにしました。事業譲渡はBさんの会社の収入になるので法人税が課税されました。そこからBさんが退職金として薬局の売却益を受け取ったので、今度は所得税が課税されました。残った現金を子供たちに渡す段階で贈与税が課税されました。
確かに子供たちに平等に財産を分けることはできましたが、財産のかなりの部分は税金の支払いに消えました。子供たちに財産の生前贈与をすると決めたら、あわせて、どういう手順で渡すのかも検討したいものです。
薬局系事業承継の決定版
「上手に薬局を譲渡するための、たった一つの方法」より