親族以外への承継
管理薬剤師やエリアマネージャーなど信頼できる従業員、もしくは外部から後継者を探します。
時間をかけて関係者の理解を得る
親族(子供)以外の第三者が後継者となるとき、関係者の理解を得るのに時間がかかります。ですから、十分な説明や承継計画の作成をおこないましょう。
まずはオーナーが現役のうちに、従業員や取引先に後継者を公表し、会社が存続することを説明します。
また後継者を役員に就任させ、経営理念や経営感覚を習得させます。
後継者が社長となった後も、オーナーは会長として一定期間会社に残り、後継者社長をバックアップすることも、承継を成功に導く重要なポイントです。
安定経営のために、後継者に経営権を集中させる
経営を安定させるためには、後継者の持ち株比率を高めることが望まれます。
後継者が自社株を取得する場合や会社が自社株を購入する場合は、政府系金融機関から低利で融資を受けやすくなっています。
また普通株式は後継者に贈与し、オーナーが重要事項の否決権を持ち続けること(黄金株の発行)も可能です。分散した株式がある場合、あらかじめオ-ナーか会社が買い戻しをおこないましょう。
薬局を守るためにセカンドベストを考える
K社長は、薬剤師で、調剤薬局を5店舗経営していました。60歳を過ぎたあたりから、疲れを感じるようになり、加えて薬剤師の雇用にも悩んでいました。子供はいましたが薬剤師ではなく、継がせる気はありませんでした。まだ体も動くし、仕事が全く無くなることには、不安を感じていました。
K社長は、薬剤師で、調剤薬局を5店舗経営していました。60歳を過ぎたあたりから、疲れを感じるようになり、加えて薬剤師の雇用にも悩んでいました。子供はいましたが薬剤師ではなく、継がせる気はありませんでした。まだ体も動くし、仕事が全く無くなることには、不安を感じていました。
- 「漠然とだけど、自分の会社の将来が不安だよ。最近は、薬局のM&Aもそこら中で聞くけど、まだ会社を売る気にはなれないなあ」
- 「5店舗というのは、最も苦しい店舗数です。思い切って、まず一番管理が大変なT薬局を切り離すのはどうでしょうか。御社であれば、技術料が月に150万円以下の薬局は持たない方が賢明かと思います」
- 「切り離すって…。あそこはO先生に頼まれて始めた薬局だからなあ。O先生を裏切る訳にはいかないよ」
- 「それはわかります。どこの薬局も医療機関があってこそですから。しかし会社が傾いても先生は助けてくれません。O先生に迷惑を掛けないよう独立したい薬剤師に承継するのはどうでしょうか。薬剤師が社長兼管薬であれば、一生懸命、運営します。O先生も、調剤薬局が大変なことはわかっていますから、理解してくれるはずです」
- 「そうだな。そうすれば、T薬局の薬剤師を足りない店舗に回せるし、いいかもしれない」
- 「1店舗減れば、社長の管理はずっと楽になるはずです。失礼な話ですが、T薬局は、御社への利益貢献度も低いですし、将来の会社の譲渡を考えると、御社の価値を上げることにもなります。独立希望の薬剤師は、後日ご紹介いたしますので、一度、会ってみて下さい。譲渡価格の算定や手続きは、弊社でおこなえますので、安心してください。社長は、O先生と従業員に、承継のことを上手に説明することに専念してください」
「事業承継3つの方法」へ戻る